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 ロボットの研究開発を手がけるゼットエムピー(ZMP)は2008年12月17日、首都大学東京システムデザイン学部の高間康史准教授と共同でロボット技術を活用した音楽配信サービスを開発すると発表した。同社の音楽プレイヤー「miuro」(ミューロ)を使い、ユーザーの好みやシチュエーションに合わせた音楽を提供する。2009~2010年の実用化を見込んでいる。

 miuroは、ジャイロセンサーや加速度センサーなどのロボット技術を活用した、自走式の音楽プレーヤー。無線LAN経由でインターネットに接続してインターネットラジオを受信したり、パソコン内に蓄積した音楽を遠隔で再生したり、本体に装着したiPod内の音楽を再生したりできる。付属のビーコンをユーザーが身に付けていると、miuroがビーコンの情報を赤外線で受信。ユーザーの進む方向へコロコロと転がって付いていく。

 今回、ZMPが開発を発表したのは、このmiuroと連携する音楽配信サービスである。インターネット上のデータベースに、ユーザーが再生した音楽の履歴などを蓄積し、それらのデータを基にユーザーの好みに合いそうな楽曲を判断。お薦めの音楽としてmiuroに配信、再生するというものだ。

 再生された音楽が好ましかった場合、miuroをなでると楽曲の優先度(レイティング)が上昇。逆に、気に入らなかった場合はmiuroをたたくと優先度が下がる。これによって好みの判断精度を上げていく。

 また、部屋ごとにビーコンを設置することで、ユーザーが今、どの部屋で音楽を聞いているかを判断できるようにする。聞く場所と時間、ユーザーの好みなどの情報を組み合わせることで、日中の居間、夜の寝室、書斎など、聞く場所やシチュエーションに合わせた音楽を選択、提案できるようにする。

 miuroの改良はZMPが、推薦音楽を判断するためのリコメンデーションエンジンの開発は首都大学東京の高間准教授が担当。いずれは、検索サイトなどとも連携させ、コンテンツや広告の配信に生かしたいという。例えば、ユーザーが通販サイトでスキー用品を探しているときには、miuroから冬の音楽を流したり、スキー場の広告を配信するといった使い道だ。逆に、miuroで聞いている音楽に関連する広告をWebサイトに表示するといった案もある。

 これらのサービスが実現した場合、ZMPは通信会社や携帯電話会社にmiuroやシステムといったインフラを提供。通信会社や携帯電話会社などがユーザーにサービスを提供する見通し。そのため、同日から、通信会社やコンテンツ配信会社、検索サイトなど向けに、この音楽配信サービスの検討、開発をするための開発キットの販売を始めた。ZMPの谷口恒社長によると「すでに数社から引き合いがある」という。同社では、「2009年か2010年にはユーザー向けのサービスを開始させられるのではないか」と話す。