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 富士通が12月26日に発売した、AVノートパソコンの最上位機「FMV-BIBLO NW」。タッチパネル付きのサブディスプレイ、ノートパソコン初となる地上/BS/110度CSの3波チューナー内蔵、16型でアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ採用など、さまざまな点で注目を集める製品だ。そんな同製品の大きな特徴の一つに、きょう体内部で発生する熱を外部に放出するために水冷モジュールを採用したことが挙げられる。

 今回PC Onlineでは、富士通の協力を得て発売前の製品を分解することができた。ノートパソコンの最新技術を、内側から理解していこう。

富士通の水冷モジュール内蔵ノート「FMV-BIBLO NW」
富士通の水冷モジュール内蔵ノート「FMV-BIBLO NW」
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空冷ファン併用でモジュールを小型化

 水冷モジュールを搭載したノートパソコンは、今回が初めてではない。古くは2002年9月に日立製作所が出荷した「FLORA 270Wサイレントモデル」がその起こりだ。同年10月には、東芝も水冷ノートパソコンを「WPC EXPO 2002」に参考出展している。また、デスクトップパソコンでは複数のメーカーが水冷モジュール搭載機を量産出荷しており、自作ユーザー向けに水冷モジュールを単体販売しているメーカーもある。しかし、水冷パソコン発売のピークは2003~2005年ころ。日立が2007年に水冷モジュールの外販を始めるなどの動きはあるが、ここ2~3年は搭載機も少なくなっていた。水冷ノートとしては久々の新製品である。

FMV-BIBLO NWの底板を外したところ。左上に水冷モジュールが装着されている
FMV-BIBLO NWの底板を外したところ。左上に水冷モジュールが装着されている
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水冷モジュールを拡大したところ。幅204mm×奥行き205mmと、ノート用水冷モジュールとしては格段に小型化した
水冷モジュールを拡大したところ。幅204mm×奥行き205mmと、ノート用水冷モジュールとしては格段に小型化した
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 水冷ノートが表舞台から姿を消している間に、水冷モジュール技術は大きく進歩を遂げた。実装面積を飛躍的に小型化したのである。今回、富士通がFMV-BIBLO NWに搭載した水冷モジュールは、(1)CPU表面に密着させて熱を吸収する「水冷ジャケット」(2)同様にチップセット表面に密着する水冷ジャケット(3)冷却液を吐出しモジュール内で冷却液を循環させる「ポンプ」(4)冷却液が蓄えた熱をきょう体外部に放散させる「ラジエーター」(5)ラジエーターに風を当てて熱の放散を促進させる「空冷ファン」――から成る。外形寸法は幅204mm×奥行き205mm、重さは約100gだ。

水冷モジュール。右中の銅板部がCPUに密着する水冷ジャケット、左側の細長い部分が、チップセットとグラフィックスチップに密着する水冷ジャケットである
水冷モジュール。右中の銅板部がCPUに密着する水冷ジャケット、左側の細長い部分が、チップセットとグラフィックスチップに密着する水冷ジャケットである
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 以前のノート用水冷モジュールは、いずれもラジエーター部がきょう体天板全面に広く取られていた。これは、完全なファンレスを実現しようとしていたためだ。空冷ファンを併用せずに自然放熱だけで冷却液の温度を下げるには、ラジエーターを大きく取る必要があったのである。一方、今回の水冷モジュールは、ラジエーターに空冷ファンで風を当てることで放熱効率を向上させ、実装面積の小型化を実現した。

 これだけ小さな水冷モジュールでも、CPUとチップセットから発生する熱を水冷モジュールできょう体外部に排出できる。ちなみにFMV-BIBLO NWが採用するCPUの熱設計電力(TDP)は25W、チップセットは14Wだ。今回分解した国内向けモデルには実装されていないが、海外向けモデルのメイン基板にはグラフィックスチップも配置されており、この放熱も水冷モジュールできょう体外部へ誘導する。なお、HDDからの排熱は水冷モジュールで直接吸収する構造にはしておらず、通常のノートパソコンと同じく空冷ファンの風による冷却である。

水冷モジュールを外したところ。左側中央に見える大きなチップがCPU、右上にある赤いテープの張られたLSIがチップセットだ。海外向けモデルでは、チップセットの隣にグラフィックスチップが配置される
水冷モジュールを外したところ。左側中央に見える大きなチップがCPU、右上にある赤いテープの張られたLSIがチップセットだ。海外向けモデルでは、チップセットの隣にグラフィックスチップが配置される
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