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 コンピューターウイルスなどに関する届け出や相談を受け付けている情報処理推進機構(IPA)は2009年1月7日、2008年中のウイルス届け出状況を公表した。それによると、ウイルスを発見したという届け出は2万1591件。また、2008年は“巧妙”なウイルスが続出したと解説している。

 IPAは1990年以降、一般ユーザーからのウイルス届け出を受け付けている。ウイルスの感染状況を把握して、ユーザーに注意を呼びかけるためである。届け出数は、2005年の5万4174件をピークに減少傾向。2008年は、2007年の3万4344件から大幅に減少した。減少傾向の理由としてIPAでは、「大規模な感染拡大を引き起こす大量メール配信型のウイルスが出現していないため」と分析する。

 なお1件の届け出には、複数のウイルス検出報告が含まれる。2008年中に報告されたウイルス検出数は273万4604件。最も多かったのは、「W32/Netsky」の亜種で233万1291件。全体の85%以上を占めた。2番目が「W32/Autorun」の亜種で19万248件、3番目が「W32/Mytob」で5万8081件だった。

 届け出のあったウイルスは136種類(2007年は166種類)。そのうち、2008年に初めて報告されたウイルスは19種類(2007年は46種類)。

 IPAでは、2008年に感染を広げたウイルスの傾向についてもまとめている。それによると、2008年は「従来の常識が通用しないほど、感染の手口が巧妙になっている」と警告している。具体的には、従来は安全なファイル種類とされていたPDFファイルやWord文書ファイルにも、ウイルスが潜んでいるケースが続出した。

 そのほか、有名な企業や組織のWebサイトが改ざんされて「ウイルスのわな」を仕込まれるケースも相次いだ。そういったサイトには、アクセスするだけでウイルスに感染する恐れがある。つまり、「怪しいサイトにはアクセスしない」という対策だけでは身を守れなくなっている。

 USBメモリーのようなリムーバブルメディア経由の感染が相次いだのも2008年の特徴。USBメモリーなどに対する警戒心は比較的低いため、感染が拡大したと推測する。

 IPAでは、ウイルス対策の重要性を改めて強調。「ウイルス対策ソフトを活用する」「脆弱性の解消する」「信頼できない、出所不明なファイルは開かない」「Windowsなどが表示する警告を無視しない」「自分で管理していないUSBメモリーは使わない」といった対策を必ず実施するよう呼びかけている。