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 2009年1月8日、NVIDIAの最上位グラフィックスチップ「GeForce GTX 295」を搭載したグラフィックスボードをボードメーカー各社が発表した(図1、図2、図3)。NVIDIAは2008年12月18日にGeForce GTX 295を発表していたが、3週間たってようやく搭載製品が発売されることになる。

 同日NVIDIAはGeForce GTX 295の下位モデル「GeForce GTX 285」を発表した。GeForce GTX 285は、出荷中のグラフィックスチップ「GeForce GTX 280」よりもチップやメモリーの動作周波数を高め、製造プロセスを65nmから55nmに縮小した製品。同様にボードメーカー各社が1月15日より順次搭載製品を発売する(図4、図5、図6、図7)。

 レファレンスのGeForce GTX 295搭載ボードを使い、NVIDIAの従来の最上位チップやAMDの最上位チップ搭載製品で、ベンチマークテストを実行して性能を比較した。

テストに使用した環境は以下の通り。

  • 【CPU】Core 2 Quad Q9650(3GHz)
  • 【マザーボード】P5Q Deluxe(ASUSTeK Computer、Intel P45搭載)
  • 【メモリー】DDR2-800 2GB×2
  • 【HDD】WD VelociRaptor 300GB(Western Digital、WD3000GLFS)
  • 【光学式ドライブ】GSA-4040B(LG エレクトロニクス・ジャパン)
  • 【電源ユニット】EPR525AWT(Enermax Technology、定格出力525W)
  • 【OS】Windows Vista Ultimate Service Pack 1 32ビット日本語版

 比較用のグラフィックスボードには以下を使用した。グラフィックスドライバーはNVIDIAの製品は「GeForce Driver181.20」、AMDの製品は「Catalyst 8.12」を使用した。

  • 【ATI Radeon HD 4870 X2】SAPPHIRE HD 4870 X2 2G GDDR5 PCI-E(Sapphire Technology)
  • 【GeForce GTX 280】レファレンスボード
  • 【GeForce GTX 260】GLADIAC GTX 260 V2 896MB(エルザジャパン)

 「3DMark06」(Futuremark)のテストでは、標準解像度ではあまり差が付かなかった。今回テストした中では最下位のモデルである「GeForce GTX 260」と比較しても、GeForce GTX 295は1割ほどしか速くなっていない。解像度を上げ、画像を滑らかに表示するアンチエイリアシングやテクスチャーに処理を加える異方性フィルタリングといった画像処理を加えると、描画処理は複雑になり、グラフィックスチップには負荷がかかる。そこで、解像度を1920×1200ドットに上げ、4倍のアンチエイリアシングと8倍の異方性フィルタリングをかけて負荷を高めテストした。この結果ではGeForce GTX 260と比べて約1.5倍、従来のハイエンドとなるGeForce GTX 280の約1.3倍の結果となった。AMDのハイエンド「ATI Radeon HD 4870 X2」に対しては標準、高負荷、いずれの設定でも数%下回った。

 「3DMark Vantage」(Futuremark)のテストでは、GeForce GTX 295の性能の高さが目立つ。最も負荷が高い「Extreme」で測定したところ、ATI Radeon HD 4870 X2の約1.2倍、GeForce GTX 280の約1.6倍のスコアを出した。

 ゲームソフト「Dead Space」(Electronic Arts)では、ゲームをプレーして1秒当たりのフレーム(画面)表示枚数を測定した。この数値が大きいほど、より高速で滑らかな映像を表示できる。1920×1200ドットの高解像度で高負荷をかけてテストしたが、すべての製品が平均して100フレーム/秒を超えた。GeForce GTX 295はその中でも速く、最大で244フレーム/秒を表示し、ATI Radeon HD 4870 X2の約1.3倍で、GeForce GTX 280の約1.4倍だった。

 日置電機の「パワーハイテスタ3332」を利用してシステム全体の消費電力も調べた(グラフ3)。3DMark06の「HDR/SM3.0」のテストにある「Canyon Flight 」を実行し、実行前のアイドル時と実行中の負荷時の消費電力を測定したところ、GeForce GTX 295は負荷時で約339W、アイドル時で約138Wという結果になった。GeForce GTX 295はグラフィックスチップを2個搭載しているが、製造プロセスが65nmから55nmに縮小しているためか、あまり消費電力は上がっていない。同様に2個のグラフィックスチップを搭載しているATI Radeon HD 4870 X2と比べてもアイドル時、負荷時共に消費電力は低い。

 GeForce GTX 295搭載ボードの予想実勢価格は6万~6万2000円程度。過去に同社が発表したハイエンドチップ搭載ボードの価格としては安い。ライバルとなるATI Radeon HD 4870 X2搭載ボードの実勢価格は特別な冷却装置を搭載していなければ、5万8000円から7万円程度であるので、最高性能のグラフィックスボードを求める人にとっては、価格、性能ともにお薦めの製品と言える。

●ベンチマークテストの概要
■3DMark Vantage
 Futuremarkが提供する3D画像処理性能を測る定番ベンチマークソフト「3DMark」の最新版。この最新版ではDirectX 10に対応したほか、ゲーム中のキャラクターやオブジェクトを現実世界と同じような法則で動かすための「物理演算」をこれまで以上に取り入れている。 Windows Vistaでしか動かない。

■3DMark06
 Futuremark製の3D画像処理性能を測るベンチマークソフト。DirectX 9に対応したグラフィックス機能の処理性能を調べられる。3DMark Vantageの前のバージョン。シェーダーモデル2.0までの機能を使った「SM2.0」のテスト、シェーダーモデル3.0を利用する「HDR/SM3.0」のテスト、ゲーム中のキャラクターの動きをマルチスレッドで計算するCPU関連のテストを実行して総合スコア(3DMark Score)を得る。

■Dead Space
 Electronic Arts製の1人称視点のシューティングゲーム(FPS)。オンラインソフト「Fraps」(beepa)で1秒当たりのフレーム表示枚数を測定した。画面解像度は1920×1200ドットで、「Vsync」を「Off」、「Graphic Quality」を「High」、「advanced render settings」の各項目を「On」か「High」、「Mouse Sensitivity」を最高にそれぞれ設定した。


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■変更履歴
記事公開時、本文第2段落と【図8】でのGTX 285についての解説が間違っていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2009/1/9 20:30]