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 日本AMDは2009年1月10日、東京・秋葉原でユーザー向けのイベント「Don't think ~ 兄貴と紳士のお正月だよAMD」を開催した。1月8日に発表したばかりの新型CPU、Phenom IIの発売日とあって、同製品の展示や解説を中心にイベントが進んだ。開場前に行列ができるなど、会場とその周辺は終始にぎわっていた。

 イベントの冒頭で、日本AMDの土居憲太郎氏が2008年にAMDが出した製品や技術を振り返りながら「チップセット、グラフィックスチップが話題になったが、CPUの新製品は実質的に2種類と少しさみしかった」とまとめた。続いて当日に発売になったPhenom IIの2モデルについて、「過去のイベントで3GHz動作のPhenomをアピールしたのは何と2007年の夏。1年半で製品としてようやく出せた」と解説した。また土居氏は、Phenom IIに対して初代を「クラシックPhenom」と呼ぶ人がいること、キャッチコピーの「Don't Think」は「AMD製CPUの性能を(考え込むよりも)まずは感じてほしい」という意味を込めていることなどを紹介した。

 日本AMD担当者の挨拶のあとは、ロジクールや動画編集ソフトを手がけるLoiLo、アークソフト、市川ソフトラボラトリーなどが自社製品を解説。その後、再度AMDが登壇し、Phenom IIの処理性能の高さや消費電力の低さなどをアピールした。2.6GHzで動作する初代Phenomの最上位モデル、Phenom X4 9950に対し、Phenom IIは「IPC(Instructions per cycle)の改善や3GHzという高い動作周波数、3倍に増やした3次キャッシュなどで約20%の性能向上が計られている」と説明。今後予定しているAM3パッケージがサポートするDDR3-1333でさらに性能が上がるとした。

 省電力機能では、Phenom IIで新たに実装した「Cool'n'Quiet 3.0」の詳細が明かされた。3.0ではCPUの電力状態を示す「Pステート」の段階が増え、最低の800MHz動作時には最大時125WのTDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力)が49Wにまで落とせるという。さらにCPUとマザーボード以外をほぼ同じにした構成のPCを用意し、Phenom II X4 940とCore i7-920の消費電力を比較。アイドル時はPhenom IIが145W、Core i7-920が178Wで33Wの差、負荷時はそれぞれ246W、322Wとなり76Wに差が広がることを示していた。

 また、45nm版のPhenom IIではオーバークロック耐性も上がり「遊べる」CPUであることも強調。Phenom X4 9950は3GHzを超えた辺りが限界だったが、940は最初から3GHzで動作しており、空冷で4GHz前後まで、水冷や特殊冷却ではそれ以上も狙える可能性があるとした。AMDのステージではほかにも、ATI Radeon HDを汎用演算に使う「ATI Stream」への取り組みについて、同社の森本竜英氏が解説した。2008年12月に公開した「Catalyst 8.12」に実装した動画変換ツールの「ATI Avivo Video Converter」の「使い方が少し分かりにくい」(森本氏)として操作の流れを説明したほか、業界標準の規格である「OpenCL」を使ったデモを公開した。

 最後に土居氏が今後の製品計画について総括。2008年11月に公開した製品計画から大きな変更はないものの、デスクトップPC向けCPUは、現在のPhenom IIが採用している共有3次キャッシュを備えるクアッドコアに続き、3次キャッシュを省いたクアッドコアや、クアッドコアからの派生ではないデュアルコアが登場することを改めて紹介した。イベントの終盤で日本AMDから「秋葉原ではほぼ完売した」と「宣言」すると、会場は拍手に包まれた。

 実際、Phenom IIの販売は好調だ。イベントの最中に秋葉原のいくつかのショップを確認したところ、「入荷数を絞ったら開店後すぐに売り切れてしまった」(T・ZONE PC DIY SHOP)、「けっこうな勢いで売れている」(フェイス本店)など売れ行きがよいとする店舗が多かった。