Snow Leopardが構成するモジュール全般にわたって洗練することを念頭に置いて開発されたOSであることを端的に示す数字がある。それはインストール後のディスク容量だ。
アップルは発売前から、Snow LeopardをLeopardに上書きするとディスクの空き容量が増えると話してきた。その数字は6GBと言われていたが、発売直前になって7GBに訂正されている。ディスクの使用量が減るためだ。
これはSnow LeopardがIntel CPU搭載のMacのみしかサポートしないため、PowerPCのコードを含まなくなったのが原因だろうと予想していたのだが、6G~7GBという数字はあまりにも大きい。プログラムコードの量が半分になったぐらいでは、このような数字にはならないはずだ。しかも機能は増えこそすれ、減ってはいない。
この疑問は実際にインストールしてみると、さらに深まることだろう。環境によって使用量削減の効果は異なるが、場合によっては20GB近くハードディスクが空くこともあるからだ。
これはPowerPCバイナリの削除に加え、プログラムの最適化や各機能が利用するリソース並びに中間ファイルの最適化を徹底的に進めた結果だ。一部にはリソースが増えている部分(従来より高解像度のアイコンファイルが使われている)もあるにもかかわらず、トータルのハードディスク使用量は減る。高性能化、大容量化とともに、ソフトウエアはハードウエア資源を節約するということを忘れてきていた感があるが、時代に逆行するかのように基本に立ち返った結果、HDD使用量が減ったわけだ。
この事例と同様、Snow Leopardに付属する1つひとつのプログラムが、それぞれに改良を加えられているが、個々のソフトウエアの改善は次回に後回しし、今回は今後10年以上を支えることになる、基盤技術について触れることにしたい。