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 AMDが2009年9月23日に発表した、新型グラフィックスチップ「ATI Radeon HD 5800」シリーズでは、複数画面へ同時に出力する「ATI Eyefinity」機能を備えている(関連記事:AMD、6画面同時表示の「ATI Eyefinity」技術を発表)。通常のボードでは最大3画面、ディスプレイ出力端子の多いバージョンのボードだと最大6画面へ出力可能だ。

 それぞれのディスプレイは別のデスクトップ画面として扱うだけでなく、複数のディスプレイにまたがる巨大なデスクトップ画面としても設定できる。AMDは、ゲームだけでなくビジネス用途にも有用だとしてATI Eyefinityをアピールしている。果たしてアピールは本当なのか。ATI Eyefinityの使い勝手を検証した。

ATI Radeon HD 5870のレファレンスボード。DVIを2系統と、HDMI、DisplayPortの計4個の端子を備えている。
ATI Radeon HD 5870のレファレンスボード。DVIを2系統と、HDMI、DisplayPortの計4個の端子を備えている。
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 現在の自作PC用のグラフィックスボードは2画面出力を備えている製品がほとんどだ。ディスプレイとケーブルさえ用意すれば、デュアルディスプレイ環境が容易に実現できる。3画面以上になると、グラフィックスボードを追加するか、USB接続のディスプレイアダプターを増設するしかない。

 ただ、ボードを増設するには、マザーボードに対応するスロット(PCI Express x16形状か、x4やx8の形状でスロットに切り込みが入ったタイプ)が必要になる。複数のグラフィックスボードを挿せるマザーボードはそれほど珍しい存在ではないが、1万円以下の安価なマザーボードではグラフィックスボードを1枚しか取り付けられない製品が多い。

 ATI Eyefinityのポイントは、1個のグラフィックスチップで最大6画面までの出力に対応している点だ。業務向けの高価なボードでは多画面出力に対応した製品があったが、一般消費者向けにはあまりなかった。画面の出力数は、ボードの設計に依存する。今回のテストで使用したレファレンスボードは、DVIを2系統とHDMI、DisplayPortの4個の端子が付いており、DisplayPortとそのほかから2個の端子を選んで最大3画面の出力ができる仕様だった。6個の画面出力に対応したバージョンは「Eyefinity6 Edition」として、後日発売される見込みだ。

日本AMDが公開した、ATI Radeon HD 5870の「Eyefinity<sup>6</sup> Edition」。6個の画面出力端子がある。
日本AMDが公開した、ATI Radeon HD 5870の「Eyefinity6 Edition」。6個の画面出力端子がある。
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 テストにはデルの30型液晶ディスプレイ「3008WFP」を3台使用した。2560×1600ドット、IPS(In-Plane-Switching)方式の液晶パネルを採用した製品で、直販価格は14万2800円(2009年9月24日時点)。DVI-Dを2系統のほか、HDMI、DisplayPort、ミニD-Sub15ピン、コンポジット、コンポーネントなど入力端子が豊富だ。

 設定方法などの詳細の前に、まずは3画面同時出力の様子を紹介しよう。テストに使った2560×1600ドットの30型は、現在売れ筋の22型や24型の1920×1080(1200)ドットの液晶ディスプレイと比べても解像度の高さが感じられる。それを3画面を横につなげて7680×1600ドットにしたデスクトップ画面は「広大」の一言だ。

2560×1600ドットの30型液晶ディスプレイを3台使って横長のデスクトップにしたところ。横幅は何と7680ドット。縮小しているので見にくいが、左下の点がWindows 7のスタートメニュー、右下の点がタスクトレイだ。右側のウインドウは設定用のダイアログ。これらの大きさから、いかにデスクトップが広いかが分かるだろう。
2560×1600ドットの30型液晶ディスプレイを3台使って横長のデスクトップにしたところ。横幅は何と7680ドット。縮小しているので見にくいが、左下の点がWindows 7のスタートメニュー、右下の点がタスクトレイだ。右側のウインドウは設定用のダイアログ。これらの大きさから、いかにデスクトップが広いかが分かるだろう。
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 広々とした作業机を前にしたのと同じ感覚で、ウインドウの重なりを気にすることなく、必要なアプリケーションのウインドウを適当な場所に適当な大きさで配置しておける。ウインドウを最大化すれば、視界のすべてがその内容で埋まる。17型や19型のデュアルディスプレイだと確かにデスクトップは広くなるが、それでもウインドウの切り替えは発生するし、使い勝手を高めるためにウインドウやアイコンの配置に気を使う。7680×1600ドットのデスクトップはそれらとは全く異なる感覚で、使いたいウインドウやアイコンを本当に好きな位置に置ける。

7680×1600ドットのデスクトップ画面でWebブラウザーを最大化してGoogleの地図を表示した。圧倒的な情報量だ。
7680×1600ドットのデスクトップ画面でWebブラウザーを最大化してGoogleの地図を表示した。圧倒的な情報量だ。
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