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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2009年10月16日、デジタル放送専用録画機が「私的録画補償金制度」の対象となるとした文化庁の見解に対し、強く反対する文書を公表した。「同庁の説明は、到底理解できるところではない」として撤回を求めるとともに、「(撤回していただいたうえで)関係者の合意を得るための議論に参画していく」と述べ、議論の場への参加を拒否することも示唆した。

 私的録画補償金制度は、メディアや録画機器の販売価格に一定の割合で補償金を上乗せし、著作権管理団体を通じて著作権者に還元する制度。これまで記録型CD、記録型DVDなどに賦課されてきたが、デジタル放送専用の録画機が対象になるか否かでは、関係者の意見が分かれている。

 JEITAやメンバーの機器メーカーは、無料デジタル放送の録画では「ダビング10」によるコピー回数コントロールが組み込まれていることから、「権利者に大きな経済的損失を与えていない」として制度の対象から外すよう求めてきた。一方、録画補償金を管理する私的録画補償金管理協会(SARVH)など権利者側は「すべてのDVD録画機が対象」と主張して対立している。

 JEITAが公表した文書によると、文化庁は9月8日、SARVHの問い合わせに答える形で、「アナログチューナー非搭載のDVD録画機器が補償金の対象になる」とする考えを著作権課長名で表明。JEITAの問い合わせに対しては、文化庁としての現行法令の解釈に沿ったもの、と説明しているという。

 これに対しJEITAは、これまでの文化審議会著作権分科会での議論などを無視するような見解で、消費者にも直接影響がおよぶ重大な事態、見過ごすことはできないと宣言。文化庁の5月22日付の政令施行通知(ブルーレイ課金政令)で、「今後、関係者の意見の相違が顕在化する場合には、その取扱について検討し、政令の見直しを含む必要な措置を適切に講ずる」とした説明に反するとしている。

 また、2008年6月に文科省と経産省が共同で発表した「ダビング10の早期実施に向けた環境整備について」の合意に盛り込まれた「無料デジタル放送の録画の取扱など補償金制度のあり方については、早期に合意が形成されるよう引き続き努力する」という約束をほごにするものだと批判している。

 デジタル放送専用録画機への補償金の適用をめぐっては、東芝が今年2月発売の新製品で徴収協力を拒否。他メーカーにも同調する動きが広がっている。また、文化庁の見解に対しては、主婦連合会と一般社団法人インターネットユーザー協会も撤回を求める声明を発表している。