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 米マイクロソフトは2009年11月16日(米国時間)、17日から始まる開発者会議「PDC2009」に先立って、報道関係者向けの説明会を実施した。17日と18日に開催される基調講演の予備知識を提供するのが目的で、同社がこれまで取り組んできた製品やサービスの内容と狙いについて概要を説明した。

 最初に登壇したプラットフォームストラテジー部門ディレクターのジャミン・スピッツァー氏は、同社が以前から進めてきた「ソフトウエア+サービス」のコンセプトについて解説。ソフトウエアだけでも、クラウドサービスだけでもない、両者の融合こそが同社の目標であることを改めて強調した。同氏によれば、ソフトウエア+サービスには2つの原則がある。1つは、クライアント側で動くソフトウエアは、さまざまな異なる機器で動きつつ、かつWeb上で動くサービスに接続していなければならないこと。もう1つは、バックエンドで動く社内設置型のサーバーやデータベースも、後ろでクラウドにつながっていなければならないということ。この2つの原則を満たすとき、ソフトウエア+サービスは前進するという。

 説明の中で同氏は、同社が4年前に掲げたサービス戦略を引き合いに出し、IT業界におけるトレンドの変化を指摘。同社も2005年10月時点では「Content」「Commerce」「Community」という“3C”を重視するにとどまっていたが、今や、パソコンや携帯電話は高機能化し、ゲームやテレビ、カメラなどさまざまな機器が増加。また、クラウドサービスというモデルで成功を収める企業も出てきた。そしてiPhoneに代表されるように、多様なプラットフォームが登場している。こうした変化の中で、同社が打ち出した方向性がソフトウエア+サービスであり、それを具現化したものが、Windows Azureをはじめとした、Windows Live、Exchange Online、Xbox LIVEのような製品群となる。クラウドサービスの基盤を提供するWindows Azureは、このPDC2009に合わせて商用サービスが始まる予定で、ここ数年同社が掲げてきたソフトウエア+サービスのビジョンが、さらに一歩進められることになる。

 ただし、ライバル企業もまた、同じようなソフトウエア+サービスを推進していると同氏は考える。米アップルのiTunesやiPhoneしかり、米グーグルのChrome OSやAndroidしかりだ。そんな中、同社が新たなビジョンとして提示しているのが、「スリー・スクリーン・アンド・ア・クラウド(Three Screens and a Cloud)」。先日、同社最高経営責任者(CEO)のスティーブ・バルマー氏が来日した際にも強調していたキーワードで、パソコン、携帯電話、テレビという3つのスクリーンを通じて、いつでもどこでもシームレスにクラウド上のデータやサービスを利用するというコンセプトだ。現状、テレビについては具体的な機器が商品化されていないが、Xboxとつなげた形での連携は可能。こうしたスリー・スクリーン・アンド・ア・クラウドという新コンセプトによって、他社のソフトウエア+サービスと差別化を図るという戦略が見て取れる。

 PDC2009では、これらソフトウエア+サービス、あるいはスリー・スクリーン・アンド・ア・クラウドに関するセッションが目白押しで、Windows Azureについては、商用化に向けた具体的な施策やスケジュールが発表される見込み。17日の基調講演においてチーフソフトウェアアーキテクトのレイ・オジー氏が何を発表するのかに注目したい。