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 NTTは2010年1月8日、768ビットの整数(10進数表記では232桁の整数)の素因数分解に成功したことを明らかにした。現在広く使われているRSA暗号は、1024ビットの素因数分解を利用している。今回の成功により、その1024ビットRSA暗号が、近い将来破られる可能性が示されたとしている。

 代表的な公開鍵暗号であるRSA暗号は、素因数分解の難しさを安全性の根拠としている。例えば、広く利用されている1024ビットRSA暗号は、1024ビットの合成数を現実的な時間内に素因数分解できないことが、安全性の根拠となっている。1024ビットの合成数を素因数分解できれば、1024ビットRSA暗号は解読できる。

 このため、「素因数分解可能なビット数の検証はRSA暗号の安全性、強度の有効性をより精密に予測する上で極めて重要」(NTT)。そこで同社は、スイス、ドイツ、フランス、オランダの大学および研究機関と共同研究を実施。その結果、世界記録となる768ビットの素因数分解に成功したという。計算には、多数のPCで構成されたコンピュータークラスターを利用。それまでの世界記録は663ビット(10進数表記では200桁の整数)だった。

 NTTでは、700ビットを大幅に超える整数の素因数分解に成功したことは、「近い将来、RSA暗号で広く使われている1024ビットの素因数分解も達成される可能性があることを示唆している」とし、「より強度が高く、効率的な暗号技術を利用する必要性が高まっている」としている。