Micro-Star International(MSI)は、2010年3月2日から6日までドイツのハノーバー市で開催された「CeBIT 2010」において、ゲームの処理性能や音質を重視した新製品や、3Dステレオ表示に対応した液晶一体型パソコン、デュアルディスプレイでキーボードが無いノートパソコンのコンセプトモデルなどを披露した。
同社は、先進的な機能を他社に先駆けて実装し、音質や画質を高めることを2010年の販売戦略のポイントとしている。特に音質は、デンマークの高級オーディオメーカーであるDynaudioと協業。Dynaudioがスピーカーのドライブユニットをパソコン向けに開発、MSIはそれに合わせてノートパソコンや液晶一体型パソコンのきょう体を新たに設計するなどして力を入れた。「(測定値などの)数値性能ばかりを追求していても仕方ない」(MSIのジョセフ・シュー社長)と、仕様に表われない性能や品質にも注力したという。
その第1弾製品は、同社ノートパソコンの新製品「F」シリーズ。従来の「X」シリーズのスタイリッシュさと、ゲームプレーヤー向けにCPUやグラフィックス性能を高めた「G」シリーズの特徴を併せ持つという。Dynaudioによる高性能スピーカーシステムを搭載するほか、NVIDIAの最新グラフィックスチップを採用。グラフィックス負荷が低いときにCPU内蔵グラフィックスによる処理に切り替えて消費電力を抑えるNVIDIAの独自技術「Optimus」にも対応する。Gシリーズと同様の「Turbo」ボタンを装備しており、動画ファイルの変換など高い性能が必要なときに一時的にオーバークロックで動かすこともできる。
Fシリーズには、14型液晶の「FX500」と、15.6型液晶の「FX600」がある。ただ、「FX400はきょう体が小さすぎて、第一世代のスピーカーユニットではDynaudioの性能が生かし切れない」(MSIのサンボラ・チャーン氏)として、Dynaudioシステムを搭載するのはFX600のみとなっている。