初代「iPhone」は、フルタッチスクリーンを搭載し、まったく新しいスマートフォンとして、2007年に登場した。当時、アップルのスティーブ・ジョブズ氏は「電話を再発明した」と説明した。2008年には「App Store」がはじまり、2009年には2倍速くなった「iPhone 3GS」が登場。年を追うごとに完成度を高め、iPhoneの人気を不動にしてきた。2010年6月24日に登場する「iPhone 4」は、初代iPhoneから大幅な進化を遂げた。
6月7日(米国時間)に開催されたWWDCのスティーブ・ジョブズCEOの基調講演の内容もiPhone 4一色の話だった。基調講演とタッチアンドトライから、iPhone 4の情報をまとめた。
ニューデザイン
外観は米国のメディアが入手し、その後、アップルが正式に返却要請を出したものと大きな違いはなかった。見慣れたと言うのも変だが、既に目にしていたので基調講演時の驚きは少なかった。しかし、実機に触れると、薄さや質の高さは新鮮で、今までのiPhoneとはまったくの別物であることが体感できた。エッジ部分にはステンレス、表面と裏面にはガラスを使っている。どこから見ても光沢があり、高級感がある。ガラスというと、iPadのように指の油が気になるところだが、耐指紋性撥油コーティングが施してあり、短時間の試用では気になるほどではなかった。
厚さは9.3mm。iPhone 3GSから24%薄くなった。スマートフォンとしては最薄だという。左右と上部に入っている切れ目は、各種の通信機能のアンテナを盛り込むためだ。ボタンの配置は基本的にiPhone 3GSを踏襲。大きく変わったのはSIMカードの挿入口で、上部から右側面に変更している。SIMカードはiPadと同じようにマイクロSIMに変更している。(実機の詳細情報)
Retina(網膜)ディスプレイ
スティーブ・ジョブズ氏が進化点の2番目に挙げたのがディスプレイだ。サイズは3.5インチのまま、解像度を4倍の960×640ピクセル、解像度で 326ppiにアップ、コントラスト比も4倍の800:1まで高めた。Retinaとは網膜の意味で、人間の網膜で認識できる限界が300ppiと言われており、それよりも精細であることを示している。
今までは気にしたこともなかったが、iPhone 4を見ると、iPhone 3GSの表示の粗さが気になってくる。IPSテクノロジーを使用しており、発色も改善されている。アプリケーションやWebページなどとユーザーをつなぐ入口として、ディスプレイにはとことんこだわっている。