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 ピクセラは2010年6月11日、PCI Express x1接続の地上/BS/CSデジタルチューナー「PIX-DT230-PE0」を7月下旬に発売すると発表した。MPEG-2 TS方式のデジタル放送の番組をH.264/MPEG-4 AVC(H.264)形式に変換して録画・蓄積できるのが特徴。価格はオープン。H.264形式で録画できるチューナーは、アイ・オー・データ機器が6月中旬に「GV-MVP/XSW」「GV-MVP/XS」を発売する予定で、それに続くもの。

 富士通セミコンダクター製のH.264トランスコーディングLSI「MB86H57A」を2個実装している。チューナー部の回路も2系統としており、2番組を同時にH.264形式で録画できる。録画形式とビットレートの組み合わせは4種類で、放送波をそのままMPEG-2 TS形式で録画する「DR」、H.264で8Mbpsの「HX」、H.264で3.8Mbpsの「HS」、H.264で1.5Mbpsの「HL」を用意する。いずれも解像度は放送された番組のまま変換せず、ハイビジョン画質で録画できる。

 製品に添付するテレビ視聴ソフトは、従来の「StationTV Digital」から、新たに開発した「StationTV X」に変更した。StationTV Xでは、(1)マウス操作モードとリモコン操作モードの切り替え(2)Windows Aeroグラスの半透明ウインドウ表示への対応(3)電子番組表(EPG)のカスタマイズ(4)録画番組の一覧表示画面における映像のサムネイル表示――といった機能を備える。

 録画番組は、ブルーレイディスク(BD)またはDVDに書き出し可能。DVDへの書き出しでは、H.264形式でハイビジョン画質の映像を記録する規格「AVCREC」に準拠した。AVCRECでの書き出しには、CPRMに対応し、AACS対応のファームウエアを適用しているBDドライブまたはDVDドライブが必要。

 きょう体はPCI Express x1接続のボードで、省スペース型デスクトップ機で使われているロープロファイル規格のスロットにも接続可能。6層基板を採用し、長さを75.3mmに抑えた。アンテナ端子は地上デジタルとBS/CSデジタルの混合タイプとした。「多くの家庭では地上デジタルとBS/CSデジタルを混合して配線しており、地上デジタル端子とBS/CSデジタル端子が別になっていると、ユーザーに分波器を購入いただく必要があった。そうしたわずらわしさをなくすため、今回の製品ではボード内部で分波する仕組みを採った」(ピクセラ)。

 同製品では2010年9月をめどに、SDメモリーカードやメモリースティック、「ウォークマン」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」など携帯機器向けの書き出し機能を追加予定。番組を録画する際、同時にフルセグ映像を基に320×240ドット、30フレーム/秒のサムネイル映像を自動生成する仕組みとなっており、このサムネイル映像を携帯機器への書き出しに使う。「書き出し時に映像の変換処理が必要ないため高速転送できる。画質もワンセグ映像より高く、BS/CSデジタルの番組も転送できる」(ピクセラ)とする。このほか時期は未定だが、録画番組の編集機能、DTCP-IP準拠の録画番組の家庭内配信機能を追加する意向だ。

■変更履歴
記事掲載当初、本文第5段落に「奥行きを24.7mmに抑えた」と記載していましたが、正しくは「長さを75.3mmに抑えた」でした。本文は修正済みです。 [2010/06/11 14:05]