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 4年に一度の世界的なサッカーの祭典「2010 FIFA World Cup South Africa」(以下、ワールドカップ)が、2010年6月11日(現地時間)に開幕した。日本時間14日の23時には日本代表が初戦に臨み、いよいよカメルーンと対戦する。テレビ観戦を楽しみにしている人も多いはずだ。

 今回のワールドカップでは、4年前のドイツ大会にはなかった、新しいテレビ観戦の方法が楽しめる。Twitterの活用だ。米ツイッター自身がリアルタイムに試合を楽しむ工夫を取り入れ、いくつかの企業はTwitter連動のWebサイトを設けている。同じ試合を観ているほかの視聴者と、試合の興奮や感動を共有できるのは、Twitterならでは。ワールドカップのテレビ中継が始まったら、パソコンやスマートフォンなどをリビングルームに持ち込み、試合中につぶやきを見たり投稿したりというサッカーファンが増えそうだ。ここでは、Twitterを活用したサービスのいくつかを紹介する。

 まず、ツイッター自身のサービスだ。特設ページを設けており、各対戦ごとに、試合中に投稿された数多くのメッセージを即時に表示する。対戦チームを左右に分けて表示するので、応援するチームとライバルチームの投稿メッセージを読み比べられる。メッセージの判別は、ツイッターが指定したチームごとの「ハッシュタグ」と呼ぶ識別子で行う。日本チームのハッシュタグは「#jpn」。通常のTwitterクライアントからでも、ハッシュタグで検索すれば、チームごとの応援メッセージを閲覧できる。

 もちろん、メッセージの投稿も自由だ。日本チームを応援するなら、TwitterのWebサイトやTwitterクライアントで、メッセージの最後などに「#jpn」と入力すればよい。これで、自身の発言が特設ページなどを通じて表示される。なお、通常のTwitterのホームページでは、チームごとのハッシュタグに国旗アイコンが付く。

 日刊スポーツ新聞社の「ニッカンスタジアム」というサービスもある。対戦チームを左右に表示する点は似ているが、ニッカンスタジアムにログインしたユーザーがそこで投稿したメッセージだけを表示する点で異なる。また、試合ごとに投稿できる人数を制限してある。限られた席を一つの部屋に用意し、座れた人だけで盛り上がるイメージだ。例えば14日の日本とカメルーンの対戦では、投稿できるのはログインした順に300人まで。なお、投稿できなくても、メッセージの閲覧は可能だ。

 「ピーチク」の特設ページも面白い。ピーチクとは、アライドアーキテクツとオレンジ・アンド・パートナーズが提供するサービス。同じ時間に同じテレビ番組を観ている視聴者同士でつながり合うのがコンセプトだ。テレビ局ごとにページを用意しており、そこで投稿したメッセージには自動的にその局のハッシュタグを付与する。Twitterクライアントなどから同じハッシュタグを付けて投稿してもよい。ラジオ局のページも用意している。

 ピーチクが用意した特設サイトは「パソコンも地デジカ!!×ピーチク サッカー中継特設ページ」。マイクロソフトらが設立した業界団体「ウィンドウズ デジタル ライフスタイル コンソーシアム」(WDLC)のキャンペーンの一環として実現した。メッセージには、自動的にワールドカップに関するハッシュタグ「#2010wc」「#jfa2010」が追加される。ニッカンスタジアムと違い、投稿できる人数に制限はない。特設ページでも、「#2010wc」「#jfa2010」の付いたメッセージはすべて表示される。

 この特設ページの最大の特徴は、独自の「決め台詞」機能だ。ボタンを押すだけで「決めろ!」「ウェーブ」「ゴール!」といった決め台詞を投稿できる。決め台詞は、巨大なアイコンで表示され、例えばゴールシーンで利用者が連続して「ゴール!」ボタンを押せば、画面全体がアイコンで埋め尽くされ、一緒に盛り上がれる。「ウェーブ」ボタンの場合、みんなで押し合うことで画面を通じて仮想的なウェーブを起こせる。

 決め台詞のアイコンは、ピーチクを利用するユーザーだけが画面上で観ることができる。Twitter側にはアイコンに書かれた文字列だけが投稿される仕組みだ。なお、国ごとのハッシュタグは付与されないので注意しておこう。

 以上、ワールドカップをテレビ観戦する際に、Twitterを活用して楽しめるサービスを紹介した。こうしたサービスを使えば、あたかも日本各地の人々と「お茶の間」で一緒にテレビ観戦するような疑似体験ができる。ちなみに、現地のワールドカップの会場では、南アフリカのブブゼラと呼ぶ民族楽器で応援する人々の姿が目立つが、ブブゼラを模したiPhoneやiPad向けのアプリケーションもある。併用すればさらに盛り上がるかもこと請け合いだ。