2010年6月下旬、データ転送の速さで人気のSSD「RealSSD C300」の低価格モデルが発売になった。容量は64GBで実勢価格は約1万5000円。RealSSD C300は、Micron Technologyがデザインし、同社の子会社であるLexar Mediaが「Crucial」(クルーシャル)ブランドで販売している製品。Serial ATA 6Gbpsに対応しており、読み出しが300MB/秒を超えるなど転送の速さが売りだ。日経WinPCは64GB版を入手、ベンチマークテストでその実力を測定した。
RealSSD C300は、マイクロン ジャパンのレキサー・メディア事業部が2月に国内での発売を発表した。当初は128GB版と256GB版があり、256GB版は読み出しが最大355MB/秒、書き込みは215MB/秒と極めて速い。128GB版でもそれぞれ355MB/秒、140MB/秒。インターフェースにSerial ATA 6Gbpsを採用したことで、Serial ATA 3Gbpsの限界(300MB/秒)を超えた速度で転送できる点が人気だった。
64GBは、これら上位モデルのデザインを踏襲した製品。128GB版の実勢価格が3万円から3万円台半ば、256GB版は6万円から6万円台後半なのに対し、64GB版は1万5000円前後と手を出しやすい価格になっている。ただし、転送速度は抑えられている。順次読み出しこそ公称値で355MB/秒と変わらないが、書き込みは75MB/秒。256GB版のおよそ3分の1、128GBの半分ほどの速度だ。
では、ベンチマークソフトではどういう結果になるのか。価格が近い、売れ筋の製品を交えて比較してみた。テストに使用したPCの構成は以下の通りだ。ドライブはAHCIモードで動かしている。
CPU | Core i7-870(2.93GHz) |
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マザーボード | P7P55D-E Deluxe(ASUSTeK Computer) |
メモリー | DDR3-1333 2GB×2 |
起動ドライブ | WD Caviar SE16 500GB(Western Digital) |
グラフィックス | ATI Radeon HD 4350搭載ボード(Sapphire Technology) |
OS | Windows 7 Ultimate 64ビット日本語版 |
取り上げたSSDは以下の通り。RealSSD C300は64GB版も128GB版もチップセットのSerial ATAポートによる3Gbps接続と、Marvell製コントローラーによる6Gbps接続の両方でテストした。「CSSD-SM64WJ3」(CFD販売)はJMicron Technology製のコントローラーチップ「JMF612」を搭載した製品。64GB版としては実勢価格が安い点が特徴だ。
安価なSSDとして人気のある、「X25-V Value」(Intel)も比較した。容量は40GBと少ないが、Intel製SSDは小容量ファイルのアクセス速度に定評がある。「Vertex 2」(OCZ Technology)は、最近はやりのSandForce製コントローラーを搭載した製品として選んだ。SandForce製コントローラーを搭載したSSDは、全般的に容量当たりの価格が高い傾向がある。
製品名(容量) | メーカー名 | コントローラーチップ | 実勢価格 |
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RealSSD C300(64GB) | Lexar Media | 88SS9174-BJP2(Marvell Technology Group) | 1万5000円 |
RealSSD C300(128GB) | Lexar Media | 88SS9174-BJP2(Marvell Technology Group) | 3万5000円 |
CSSD-SM64WJ3(64GB) | CFD販売 | JMF612(JMicron Technology) | 1万3000円 |
X25-V Value(40GB) | Intel | PC29AS21BA0(Intel) | 1万2000円 |
Vertex 2(50GB) | OCZ Technology | SF-1222(SandForce) | 1万8000円 |