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 NVIDIAは2010年7月12日、新しいグラフィックスチップ「GeForce GTX 460」を発表した。同社の「Fermi」アーキテクチャーに基づいた設計で、DirectX 11に対応する。3月に発表した「GeForce GTX 480」「同GTX 470」に続き、5月に発表した「GeForce GTX 465」の下位モデルとなる。同日、ボードメーカー各社もGeForce GTX 460を搭載したグラフィックスボードを一斉に発表した。実勢価格は2万~2万円台後半。

NVIDIAが発表したGeForce GTX 400シリーズの新チップ「GeForce GTX 460」。
NVIDIAが発表したGeForce GTX 400シリーズの新チップ「GeForce GTX 460」。
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GeForce GTX 460のレファレンスボード。DVI-I×2、Mini HDMI×1を備える。
GeForce GTX 460のレファレンスボード。DVI-I×2、Mini HDMI×1を備える。
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 GeForce GTX 400シリーズは演算や描画の機構をまとめた「GPC(Graphics Processing Clusters)」と呼ぶブロックでグラフィックス機能を構成している。GPCはGeForce GTX 480、同GTX 470が4個、同GTX 465が3個なのに対し、GeForce GTX 460は2個。GPCには、演算機構の「CUDAコア」をまとめた「ストリーミングマルチプロセッサー(SM)」がある。GeForce GTX 465のSMは11個、CUDAコアは352個なのに対して、同GTX 460のSMは7個、CUDAコアは336個に削減している。GeForce GTX 480、同GTX470、同GTX465のCUDAコア数がすべて32の倍数なのに対して、同GTX 460は24の倍数になっている。これは、GeFoece GTX 460が、上位モデルの3製品とは異なるアーキテクチャーを採用したためだ。

NVIDIAの資料から抜粋した、GeForce GTX 480とGeForce GTX 460の内部構成の違い。緑色の四角が演算器のCUDAコアを示している。GeForce GTX 460は設計を変更した。これらは設計上の最大の図であり、チップによってはCUDAコアを削減してある。
NVIDIAの資料から抜粋した、GeForce GTX 480とGeForce GTX 460の内部構成の違い。緑色の四角が演算器のCUDAコアを示している。GeForce GTX 460は設計を変更した。これらは設計上の最大の図であり、チップによってはCUDAコアを削減してある。
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GeForce GTX 460におけるStreaming Multiprocessor(SM)の構造。NVIDIAの資料から抜粋。SM当たりのCUDAコアは48個が最大。テクスチャーユニットは8個ある。GeForce GTX 480/470ではSM当たりCUDAコアが32個でテクスチャーユニットが4個だった。
GeForce GTX 460におけるStreaming Multiprocessor(SM)の構造。NVIDIAの資料から抜粋。SM当たりのCUDAコアは48個が最大。テクスチャーユニットは8個ある。GeForce GTX 480/470ではSM当たりCUDAコアが32個でテクスチャーユニットが4個だった。
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 こうした設計の違いのバランスを取るためか、GeForce GTX 460のテクスチャーユニット数や各種動作周波数はGeForce GTX 465を上回る。テクスチャーユニットはGeForce GTX 465が44個なのに対して、同GTX 460は56個だ。コア動作周波数が675MHz、シェーダー(CUDAコア)の動作周波数が1.35GHzなのも、GeForce GTX 465より高い。メモリー容量は768MBと1024MBの2種類がある。メモリーのバス幅は768MBが192ビット、1024MBが256ビットとなる。メモリー転送速度は768MBが86.4GB/秒、1024MBが115.2GB/秒だ。上位モデルのGeForce GTX 400シリーズはいずれも消費電力が高かったが、同GTX 460は消費電力の最大値が150~160Wと同GTX 465と比べて40~50W低くなっている。

●GeForce GTX 400シリーズの主な仕様
※1…Graphics Processing Clusters、※2…Streaming Multiprocessors
チップ名称GTX 480GTX 470GTX 465GTX 460
GPC(※1)4個4個3個2個
SM(※2)15個14個11個7個
シェーダー(CUDAコア)数480個448個352個336個
テクスチャーユニット数60個56個44個56個
ROPユニット数48個40個32個32個
コア動作周波数700MHz607MHz607MHz675MHz
シェーダー動作周波数1.401GHz1.215GHz1.215GHz1.35GHz
メモリー 動作周波数3.696GHz3.348GHz3.206GHz3.6GHz
メモリー 容量GDDR5 1536MBGDDR5 1280MBGDDR5 1024MBGDDR5 768MB、1024MB
メモリー バス幅384ビット320ビット256ビット192ビット(1024MBは256ビット)
メモリー 転送速度177.4GB/秒133.9GB/秒102.6GB/秒86.4GB/秒(1024MBは115.2GB/秒)
製造プロセス40nm40nm40nm40nm
消費電力(最大、ボード)250W215W200W150W(1024MBは160W)
電源ユニットの推奨出力600W550W550W450W
最大動作温度105℃105℃105℃104℃