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 AMDは2010年9月21日、6コアや低消費電力版など新CPUを7モデル発表した。いずれも既存モデルのラインアップを補完する製品で、大幅な設計変更は無い。日経WinPCは新CPUのサンプルを入手、IntelのCore iシリーズの主要製品を交えて性能や消費電力を検証した(関連記事:AMD、6コアや低消費電力版など7種類の新型CPUを発表)。

 AMDの新CPUはいずれもデスクトップPC向けのAM3パッケージ。Socket AM3のマザーボードなどで利用できる。

 6コアのPhenom II X6には、最上位のPhenom II X6 1090T Black Editionと下位の同1055Tの中間となる、Phenom II X6 1075Tが追加された。通常は3GHzで動作しているが、負荷の高いコアが少ないときは「Turbo CORE」が働いて3.5GHzで動く。6MBの共有3次キャッシュ、DDR3-1333/DDR2-1066対応のメモリーコントローラーなど、基本的な仕様は従来品と同じ。TDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力)は125Wだ。

6コアCPUの新モデル、Phenom II X6 1075T。規定の動作周波数は3GHz。
6コアCPUの新モデル、Phenom II X6 1075T。規定の動作周波数は3GHz。
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情報表示ソフト「CPU-Z」の画面。Turbo COREが有効になると、3.5GHzで動作する。
情報表示ソフト「CPU-Z」の画面。Turbo COREが有効になると、3.5GHzで動作する。
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 4コアのPhenom II X4には、最上位となるPhenom II X4 970 Black Edition(以下BE)が登場した。965 BEの動作周波数を100MHz引き上げて、3.5GHzにした製品だ。同様に2コアのPhenom II X2にも、動作周波数を上げた560 BEが追加になった。

 Athlon IIシリーズは、4コアのX4と2コアのX2それぞれにおいて、通常版と低消費電力版が登場した。Athlon II X4 645は3.1GHzでTDP95W、同615eは2.5GHzでTDP45W。Athlon II X2 265は3.3GHzでTDP65W、同250eは3GHzでTDP45Wだ。

4コアでTDPが45Wと低い、Athlon II X4 615e。動作周波数は2.5GHz。
4コアでTDPが45Wと低い、Athlon II X4 615e。動作周波数は2.5GHz。
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CPU-ZによるAthlon II X4 615eの情報。
CPU-ZによるAthlon II X4 615eの情報。
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 実勢価格はPhenom II X6 1075Tが2万3980円、Phenom II X4 970 BEが1万7980円、Phenom II X2 560 BEが9980円。Athlon IIは、X4 645が1万1980円、615eがやや高めの1万3980円。265と250eは同じ価格で7480円となっている。