日本ヒューレット・パッカードは2010年9月27日、インクジェット複合機3モデルを発表した。全機種、IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能を標準で搭載し、同社では「ネットプリンター」という位置付けになる。複合機に割り振られたメールアドレスに対して印刷したいデータを送るだけで印刷できる「メール de プリント」機能や、インターネット上に用意されたアプリケーション(対応コンテンツ)に複合機から直接アクセスして印刷できる「アプリ de プリント」機能などを備える。同社Webサイトの直販価格は、主力機種となる「Photosmart Premium C310c」(以下、C310c)が2万7930円、中位機種となる「Photosmart Plus B210a」(以下、B210a)が1万9950円、居間に置くことを想定した新コンセプトの「ENVY 100」が2万9820円。C310cは10月下旬、B210aは9月30日、ENVY 100は11月中旬に発売する。
C310c(図1)は4.3型のタッチパネル液晶を搭載。液晶パネル上に表示されるボタンをタッチして選ぶだけでなく、iPhoneのように指を滑らせて操作できる、いわゆるフリック操作に対応している。インク滴が1.3pl(ピコリットル)の5色独立インクを採用しており、印刷解像度は9600×2400dpi。印刷速度は、A4モノクロで33ページ/分、カラーで32ページ/分。スキャナーの解像度は1200×2400dpiとなる。用紙トレーが2段になっており、メイントレーにA4判用紙、フォトトレーにはがきやL判用紙などをセットできる。自動両面印刷に対応する。外形寸法は幅455×奥行き473×高さ199mm、重さは7.7kg。
B210a(図2)は3.45型のタッチパネル液晶を搭載。フリック操作には非対応だ。インク滴は1.3plで4色独立インクを採用する。印刷解像度は4800×1200dpi。印刷速度は、A4モノクロで32ページ/分、カラーで30ページ/分。スキャナーの解像度は1200×1200dpiとなる。用紙トレーはC310c同様2段だが、自動両面印刷には対応しない。外形寸法は幅452×奥行き401×高さ199mm、重さは7.45kg。
ENVY 100(図3)は、家庭の居間に置くことを想定した新しいコンセプトのインクジェット複合機。高さが102mmとスリムで、凹凸のないすっきりしたデザインが特徴だ。また、メモリーカードスロットやUSB端子を前面に配することで、前面だけで操作できるようにした。3.45型のタッチパネル液晶は、約40度上にスイングする可動式。印刷する際に、自動で開閉する構造になっている。液晶は指を滑らせて操作するフリック操作が可能だ。インク滴は1.3plで、インクヘッド一体型の4色インクを採用した。印刷解像度は4800×1200dpi。印刷速度は、A4モノクロで30ページ/分、カラーで25ページ/分。スキャナーの解像度は1200×1200dpiとなる。用紙トレーは1段。自動両面印刷機構を内蔵する。外形寸法は幅427×奥行き340×高さ102mm、重さは7.3kg。
アプリ de プリント機能が利用できる対応コンテンツには、「ライト アプリ」と「プレミア アプリ」の2種類がある。前者はディズニーのキャラクターの塗り絵やパズルゲームの数独などの印刷ができる。後者は、ぐるなびやクレオ、Weathernews、リクルートなどと日本ヒューレット・パッカードが提携し、例えばクーポンなどの各種情報を印刷して利用できる。C310cとENVY 100は両方に対応、B210aはライト アプリのみの対応となる。