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 デジタル機器やIT関連の総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」の会場に設置されたソリューションシアターで2010年10月5日、「最新キーワードで読み解く次世代コンピューティングの未来」と題して日経BP社パソコン局長の藤田憲治氏が講演した。「モバイル」「クラウド」「情報洪水」と3つのキーワードを掲げ、今後注目するべき技術の動向とIT利用の将来像を展望した。

 日々の仕事や生活の中で生み出される情報をいかに蓄え、整理し、活用していくか――。これは、ユーザーはもちろん、製品やサービスを開発するメーカーにとって永遠の課題だ。1980年代からコンピューターが我々の生活に浸透し、さまざまな製品やサービスが登場しては消えていった。

 そうした数々の製品やサービスを振り返り、「まがい物のような製品が登場することもあるが、結局は喜ばれるもの、ユーザーが使って良かったと感じるものが残る」と藤田氏は分析する。同時に「歴史は何度も繰り返す」(藤田氏)という傾向もある。こうした背景を踏まえて藤田氏は、過去の製品とサービスとの対比を交えながら、モバイル、クラウド、情報洪水と3つの注目キーワードについて解説した。

 モバイル分野の製品は、昨今急激に進歩している。「80年代を振り返ると、現在のモバイル機器を誰もが活用できる状況は夢のようだった」(藤田氏)。機器メーカーはさまざまなコンセプト機を作っては、夢破れていった。例えば、音声とタッチパネルで操作できる米アップルの「Knowledge Navigator」というコンセプト機があった。現在その夢はほぼ現実のものとなっている。

 CEATEC会場でも、数多くのスマートフォンが展示されて注目を集めている。より処理性能が高く、高機能となったスマートフォンをより多くの人々が持ち歩くようになると藤田氏は展望する。SNSなどコミュニケーション、ナビゲーション、音楽などサービスも多様化する。公衆電源サービスが登場するといった利用するためのインフラ整備も進むだろう。

 スマートフォンでiPhoneが先行し、Android端末が追従する状況は、「20年前のパソコン市場に似ている」と藤田氏は言う。アップルが先行してApple IIなどを投入したが、マイクロソフトとインテルがPCAT互換機で追いかけた。「パソコンにおける栄枯衰勢の歴史が分かれば、スマートフォン分野の勝者も見通せるのではないか」(藤田氏)。その鍵を握るのがアプリケーション配信サービス。アプリの開発者とサービス運営事業者の双方が収益を挙げ、ユーザーも喜ぶ。そうしたプラットフォームをめぐる競争になるという。