日本IBMと内田洋行は2010年11月4日、コンサルティングサービスからICTシステム、ワークプレイスの構築・運用までを一貫して支援するために協業する、と発表した。10月26日に覚書を交わし、11月4日から両社共同でサービスを開始するという。2011年度は年商30億円ほどで進めていきたいとしている。
「日本IBMには、世界最大規模のコンサルティンググループを持つという顔もある」と言う日本IBMの執行役員/パートナー戦略コンサルティンググループの金巻龍一氏は、経営課題を解決するための働き方の変化を浸透・定着させるコンサルティング・サービスの効果を最大化する方法を検討していたという。過去の実験などから、「経営課題を克服するために働き方を変えよう、と呼びかけても変えるのは難しいが、ワークスペースを変えるだけで働き方が変わっていくことに気付いていた」という金巻氏。ある企業のオフィスを、固定の自席を設置しないフリーアドレスにし、テレビ電話などデジタル会議室のシステム、最新の情報システムなどを提供したところ、2カ月で80%のミーティングが減るなど、ワークスタイルに変化が見られたという。
「今まで対面で会議していたものを、そのまま電話会議に置き換えるのでは、ただ不便になるだけ。電話会議やテレビ会議など、先にIT機器ありきで会議の方法を考え直すのが大事」(同氏)。そこで、ICTを活用した場を構築するノウハウを持つ内田洋行との協業に至ったという。
両社で提供するサービスには、働き方やオフィス環境を評価する「ワークスタイル・ワークプレイス診断」や、実際に働き方のスタイルを提案する「ワークスタイル変革構想策定支援」、ICTなどを駆使した「“Change Working”を促進するワークプレイスの構築」などがある。