ソフトバンクモバイルは2010年11月4日、携帯電話の2010年末~2011年春商戦向けモデルを発表した。この中で同社は、米グーグルの携帯機器向けOS「Android 2.2」を搭載したスマートフォンを5機種投入するなど、スマートフォンの拡充を図る意向を示した。11月中旬から2011年3月下旬にかけて順次出荷開始予定。
今回発表したスマートフォンのうち年末商戦向けに発売するものは、シャープ製の「GALAPAGOS 003SH」、米デル製の「Streak 001DL」、中国・中興通訊(ZTE)製の「Libero 003Z」。これ以外に、既発表の台湾ハイテクコンピューター(HTC)製「Desire HD 001HT」が11月12日に発売予定。2011年春商戦向けには、シャープ製の「GALAPAGOS 005SH」(2月中旬以降)、中国ファーウェイ・テクノロジーズ製の「004HW」(3月下旬以降)の発売を予定している。
シャープの「GALAPAGOS 003SH」「同 005SH」は、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線、HTMLメール(「デコレメール」)、赤外線通信機能などを搭載する。2機種ともアプリケーションプロセッサーは、米クアルコム製のMSM8255(1GHz)を採用。003SHはタッチパネルに表示されるソフトウエアキーボードで文字入力するが、005SHはきょう体が横にスライドし、QWERTY配列のキーボードを引き出して文字を入力できる。プリインストールOSがAndroid 2.2のため、Flashを使ったWebサイトもコンテンツの欠落なく表示可能。なお、Android 2.2では端末をモデムとして使えるテザリング機能がサポートされているが、003SHと005SHでは「現時点ではコメントできない」(ソフトバンクモバイルの孫正義社長)としており、非対応となる見込み。
003SH、005SHとも液晶ディスプレイは3.8型で480×800ドット表示。裸眼での3D立体視が可能なパネルを採用している。同社ではGALAPAGOSの発売に合わせて、映画の予告編やお笑い番組、ゲーム、アニメといった3Dコンテンツの配信を始める予定。内蔵のカメラモジュールで3Dの写真を撮影する機能も備える。
デル製のStreak 001DLは、液晶ディスプレイを「片手で持てる最大サイズ」(孫社長)の5型(480×800ドット)としていることが特徴。本体サイズは幅152.9×高さ79.1×厚さ9.98mm、重さは220g。Libero 003Zはスマートフォンの低価格モデルという位置付け。重さは110gで、ソフトバンクモバイルの扱うAndroid搭載スマートフォンでは最軽量。液晶ディスプレイは3.5型。日本語、英語のほか中国語の表示・入力機能も備えている。004HWも低価格モデルで、厚さ11.2mmと薄いのが特徴。表示は10カ国語、入力は日本語、英語、中国語の3カ国語に対応する。
スマートフォンのラインアップ拡充に伴い、ソフトバンクモバイルはスマートフォン向けコンテンツの強化にも乗り出す。電子雑誌などの販売アプリ「ビューン」では、「Gainer」「東京ウォーカー」など9種類の雑誌を追加し、新聞やテレビと併せて合計40種類のコンテンツを提供する。また、電子書籍の販売アプリ「ブックストア」、ドラマや映画、アニメなどの映像配信アプリ「ビデオストア」、音楽配信アプリ「mora touch」などを提供する。
下り最大42MbpsのDC-HSDPAをサービス開始、対応モバイルルーターも
このほか同社は、下り最大42Mbps、上り最大5.76MbpsのDC-HSDPA方式によるデータ通信サービス「ULTRA SPEED」を2011年2月下旬以降に提供開始すると明らかにした。サービス開始当初の対応端末は、モバイルルーター「007Z」とUSB接続型の「005HW」、USB接続型で法人専用の「004Z」の3製品。2011年以降、一般の携帯電話も順次ULTRA SPEED対応にしていくとする。主要都市から順次サービスを広げていき、2011年6月をめどに人口カバー率60%を目指すとしている。また、詳細は明らかにしていないものの、一部機種ではイー・モバイルのDC-HSDPAサービス「EMOBILE G4」とのローミングを可能にする方向で検討中としている。
孫社長はULTRA SPEEDについて「NTTドコモのLTEサービス『Xi』(クロッシィ)の下り最大37.5Mbpsより高速で、エリア展開も早い」と主張している。なお、UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」との比較については言及しなかった。