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 情報処理学会、日本数学会、日本化学会など理数系の8つの学会は2010年12月7日、デジタル教科書の推進に際して留意すべき点をまとめたチェックリストを、文部科学省生涯学習政策局に提出したと発表した。「手を動かして実験や観察を行う時間の縮減につながらない」「虚構の映像を視聴させることのみで科学的事項の学習とすることが無い」など、配慮すべき9種類の項目を挙げている。

 チェックリストを提案した8学会は声明において、「デジタル教科書の活用は、教育における重要な課題でありかつ、将来にわたってわが国の教育を高めていく上で必須のものである」とその重要性を確認。ただしデジタル教科書は「あくまでも教育の手段であり、目的とするのは教育を高めていくことである」のを忘れてはならないとしている。

 今回作成したのは、それを確認するためのチェックリスト。これは理数系の諸学会がデジタル教科書を活用する際に配慮するものという位置付けだが、そのほかの関係者に対しても、デジタル教科書に関する施策がチェックリストの項目を満たしていることを確認するよう「強く要望」するとしている。

 冒頭に挙げた2項目以外に、「児童・生徒が紙と筆記用具を使って考えながら作図や計算を進める活動の縮減につながらない」「デジタル教科書の使用が、児童・生徒が自らの手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動の縮減につながらない」など、子どもたちが自ら手を動かすことに関するチェック項目を用意。さらにデジタル教科書の使用が「穴埋め形式や選択肢形式の問題による演習の比率増大につながらない」「児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動の縮減につながらない」などの項目も設けている。また付記として、情報機器を長時間使用することによる健康上の問題や、子どもたちのプライバシー保護についての検討の必要性についても述べている。