NECは2011年2月1日、ノートパソコン「LaVie」、デスクトップパソコン「VALUESTAR」の2011年春モデルを発表した。3D映像が楽しめるノートや、スタイリッシュな外観の液晶一体型モデルなど、主力モデルが一新。しかし、思わぬ事情で、目玉製品の出荷のめどが立たない状況となっている。
今回の春商戦における最大の特徴は、インテルの新型CPU「第2世代Core iシリーズ」だ。ところが、インテルは第2世代Core iシリーズと組み合わせるチップセット「6シリーズ」に不具合があることを表明、出荷を停止した。同社によれば、不具合を修正したチップセットは2月後半から出荷を開始、通常の出荷状況に戻るのは4月になるという。これを受け、NECが発表したLaVie、VALUESTARとも、目玉商品の多くが発売日未定となっている。
まず、NECの主力スタンダードノート「LaVie Lシリーズ」。ラインアップは全部で5モデルで、「LL970/DS」「LL850/DS」「LL770/DS」「LL750/DS」「LL370/DS」がある。このうち下位モデルのLL370/DSを除く4モデルが、不具合の対象機種であり、発売日未定となっている。
次にデスクトップ。液晶一体型のハイエンド機種「VALUESTAR W」は2モデルあるが、「VW970/DS」「VW770/DS」の2モデルとも、チップセット不具合の影響を受け、発売日未定。それに、スタイリッシュな液晶一体型の「VALUESTAR N」の3モデルのうち、上位2モデル「VN790/DS」「VN770/DS」と、フルHD液晶が付属するセパレート型の「VALUESTAR L」の2モデルのうち、「VL750/DS」「VL350/DS」のいずれもが発売日未定となっている。
以下、発売日未定の製品も含め、発表となった主な新製品の特徴を紹介しよう。
LaVie L LL770/DS(図1)は高機能モデル。3D立体視機能や、外付けテレビチューナーで受信した映像を無線LAN経由でノートに転送するワイヤレスTV機能に対応する。第2世代のCore i5シリーズや、750GBの大容量HDDを搭載するなど基テレビや3Dが楽しめる高機能ノート本性能も充実している。新モデルは、ヤマハが開発したサウンド技術を採用。デジタル放送などを臨場感あふれる音声で楽しめるようにした。さらに、きょう体の一部に「スクラッチリペア」と呼ぶ、擦り傷を修復する技術を採用した点も特徴。きょう体表面に、弾力性のある樹脂を溶着させることで、傷の耐久性が向上。浅い傷なら時間の経過と共に回復するという。
「LaVie S」は、15.6型液晶ノートのエントリーモデル。きょう体は光沢仕上げ。カラーバリエーションは、青/赤/白/黒の4種類で展開する。春モデルは、秋冬モデルに比べて小型化。最薄部分の厚みが40.5mmから35mmと薄くなった。下位モデルである「LS150/DS」(図2)は約12万5000円と、15.6型クラスのノートとしては値頃感がある。Sシリーズ初のブルーレイディスクドライブを採用した上位モデル「LS550/DS6」もある。
「LaVie M LM570/DS」(図3)は、13.3型液晶を採用した携帯ノート。超低電圧版CPU のCore i3を採用し、8.2時間のバッテリー駆動を実現した。テレビ映像を無線LANで転送するワイヤレスTV機能を搭載。携帯ノートでテレビを視聴できる。
「LaVie Light BL350/DW」(図4)は、10.1型液晶搭載のネットブック。解像度は1366×768ドットと、ネットブックとしては高い。パソコン同士をUSBケーブルでつないでデータを共有する「USB Duet」機能を搭載。HDDに加え、光学ドライブのデータも共有できるようになった。
VALUESTAR Nは、スタイリッシュな外観の液晶一体型デスクトップ。独立型キーを採用したワイヤレスのキーボードが付属する。VN770/DS(図5)は、白/黒/赤の3色のカラーバリエーションを用意する。AV機能が多彩で、3波対応のダブルチューナーや、ヤマハが開発した低音再生技術「FRPort」を搭載するのが特徴。音楽スタイリッシュな液晶一体型などを臨場感あふれる音声で聴けるようにした。基本性能も高い。第2世代のCore i5を採用した。SDメモリーカードの高速転送規格「UHS-I」に対応したメモリーカードスロットや、USB 3.0端子も標準で備える。上位のVN790/DSは、3D立体視に対応したモデル。ブルーレイ3Dなどを楽しめる。
VALUESTAR Wは、フルHD表示の23型液晶を搭載したハイエンドデスクトップ。上位のVW970/DS(図6)は、3波対応のダブルチューナーを内蔵。画質低下を抑えた長時間録画や、録画番組のメモリーカード保存など、テレビ機能が充実している。3D立体視機能も備える。
VALUESTAR L VL350/DS(図7)は、1920×1080ドット表示のディスプレイが付属するセパレート型デスクトップ。スリムなきょう体ながら拡張性が高く、空きのロープロファイル型PCI Expressスロットを2つ備える。3D立体視機能に対応した上位モデルのVL750/DSもある。
記事公開時、本文第6段落で「ヤマハが開発したサラウンド技術」とありますが、「ヤマハが開発したサウンド技術」の誤りでした。おわびして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/2/2 16:05]