フィンランドNokia社は「Mobile World Congress 2011」が開幕する前日の2011年2月13日に記者説明会を実施し、米Microsoft社との提携の意義について改めて説明した(NokiaとMicrosoftの提携に関する記事)。登壇した同社の社長兼CEOのStephen Elop氏は「現在、モバイル機器を巡る戦いは、端末からサービスまでを含めたエコシステムに移っている」と指摘し、この競争を生き残る最良の方法がMicrosoft社との提携だったと強調した(写真1)。要旨は以下の通り。
Symbian OSやMeeGoを中心に据えることも考えられたが、これらはNokia内部のリソースを使う方法であり、開発速度とコストの面で割が合わないうえ、エコシステムが大きくなりにくい。一方、Androidを採用することも真剣に考えたが、Nokia社の強みは生かせず、他の携帯電話機メーカーと同列になってしまうと考えた。唯一Microsoftとの提携がNokia社の収益拡大のチャンスを与えてくれる。
Nokia社がWindows Phone 7を採用することで、自社でプラットフォームを開発するコストを減らせる。また、BingなどのMicrosoft社のサービスを取り入れることで、これまでNokia社が収益源としてこなかった広告収入という道が得られる。Microsoft社にとっては、Nokia社からWindows Phone 7のライセンス料が入るうえ、Nokia社が端末を開発し、世界中で販売することでWindows Phone 7およびインターネット・サービスのビジネスを拡大できる。
まずはWindows Phone 7をAndroidに対抗できるプラットフォームに育て上げ、米Google社や米Apple社と対抗できる勢力に育て上げることに注力をする。なお、NokiaがWindows Phone 7搭載のスマートフォンを市場に投入する時期は未定だが、既にMicrosoft社と緊密な連携を取りながら開発を進めている(写真2)。