NECは2011年2月15日、QWERTY配列キーボード付きのAndroid搭載携帯端末「LifeTouch NOTE」を発表した。発表会に登壇したNEC 支配人兼パーソナルソリューション事業開発本部長の西大和男氏は、「LifeTouch NOTEの最大の特徴はキーボード」と語り、外出先で文章を入力するといった用途での使いやすさを前面に押し出して訴求していく意向を明らかにした。
発表会では、日本語入力関連で独自のカスタマイズを施して使い勝手を改良したことをアピール。日本語入力ソフト「ATOK for LifeTouch NOTE」をプリインストールし、入力中に予測変換の変換候補を画面下部に表示してタッチ操作で選択可能にしたほか、[F6]~[F10]キーで平仮名や片仮名、アルファベットに簡単に変換できる。またキーボードは、[Menu][検索]などAndroidの独自機能に対応したキーを用意する一方、[Ins][Del]といったパソコンユーザーになじみの深いキーも用意している。カット/コピー/ペースト操作は、キーボードで[Menu]+[X][C][V]を押すことで可能。キーピッチはアルファベットキーで16.8mmと広く確保している。
QWERTYのキーボードを搭載した携帯機器としては、OSにWindows CEを採用した同社製の「MobileGear」(モバイルギア)が、現在でも高い知名度を誇る。発表会の質疑応答では、今回の端末の製品名を「MobileGear」(モバイルギア)としなかった理由について質問が出た。これについて西大氏は、「開発段階では、NECのこだわりを持った携帯端末のブランドである『MobileGear』という名前も候補に挙がっていた」と明かした。その上で、「一方でNECとしては、クラウドに接続して利用する端末機器の統一ブランド名として『LifeTouch』を創っていくことも必要と考えた。製品名について議論を重ねた上で、NECの今後に向けた意思として『LifeTouch』にすることを決めた」と説明している。
OSにAndroidを採用した理由については、「OSはその都度選定しており、今回はAndroidを選択した。Windows搭載のパソコンとは別の価値を創出したいと考えたこと、『Androidマーケット』が魅力だと考えたことなどがその理由だ。今後の端末でも、Windows Mobileなどを含めその都度搭載OSを検討する」(西大氏)とした。なお、LifeTouch NOTEのAndroid 2.3以降へのアップデートについては、「今回の製品はAndroid 2.2に最適化して開発しており、Android 2.2でお使いいただければと考えている」(NEC パーソナルソリューション事業開発本部 エグゼクティブエキスパートの渡邉敏博氏)と語り、アップデートは考えていないとした。
LifeTouchシリーズの今後の展開として同社は、折り畳み型のきょう体の両面に7型液晶ディスプレイを搭載した「LifeTouch W」(写真)を開発中であることを明らかにした。電子書籍端末やデジタル教科書といった用途を想定しているという。「ハードウエアはおおむね出来上がっており、現在は2画面を活用した独自アプリの開発を進めている段階。2011年度の上期(2011年4~9月)をめどに発売できればと考えている」(説明員)という。