ドイツ、ハノーバー市で2011年3月1日から開催中のヨーロッパ最大のIT見本市「CeBIT 2011」において、主要マザーボードメーカー各社は、AMDの次期高性能デスクトップPC向けCPUに対応した新ソケット「Socket AM3+」を採用した製品を、まもなく市場に出荷する計画を明らかにした。
メーカーによると、Socket AM3+はAMDの次世代CPUアーキテクチャー「Bulldozer」(ブルドーザー、開発コード名)コアを採用した高性能CPU「Zambezi」(ザンベジ、同)をサポートするソケット。現行の「AMD 800」シリーズチップセットを搭載したマザーボードに、次世代CPUへのアップグレードパスを用意する。
Socket AM3+は、Socket AM3に比べてピンが1本増えており、現行のSocket AM3マザーボードには、AM3+パッケージのZambeziが挿さらないようになっている。AMDは、ソケットへの移行に際し、どのマザーボードが次世代CPU対応かを分かりやすくするために、Socket AM3+で黒いソケットを採用することにしたようだ。
CeBIT 2011会場では、ほとんどのマザーボードメーカーが「AM3+マザーボードを持ってきている」としていた。「新CPUの搭載に当たり、電源回路周りなども検証している段階」(メーカー各社)。どのメーカーも「4月にはSocket AM3+対応製品に移行する」ということでは一致している。
現地時間3月1日時点では、CeBIT会場でSocket AM3+対応マザーボードの展示が確認できたのはASRockとGIGABYTE TECHNOLOGYのみだった。ASRockは、現行のAMD 800シリーズ搭載製品を全てSocket AM3+に移行する計画。一部の製品は既に工場から出荷済みで、早ければ1~2週間で市場に登場するという。
また、マザーボードメーカーは、AMDが新ソケットの検証用に、BulldozerコアベースのSocket AM3+用CPUのサンプルを提供し始めていることを明らかにした。当初のスケジュールよりも早く、2011年第3四半期に市場投入を前倒しするというAMDの計画が着々と進んでいることをうかがわせた。