米アップルは現地時間の2011年3月2日、タブレット端末の新製品「iPad 2」を発表した。価格は499ドルからで、日本など26カ国では3月25日に発売する。従来通りWi-Fi/Wi-Fi+3Gの2モデルに、それぞれ16GB/32GB/64GBの容量を用意し、全6製品をラインアップした。OSは同日に発表した最新の「iOS 4.3」を搭載する。
CPUにデュアルコアのA5プロセッサー(1GHz)を採用し、マルチタスクを実行したり、アプリを読み込む際のスピードを向上。グラフィックスのパフォーマンスは、最大9倍にまでアップしたという。処理性能は向上したが、フル充電時の駆動時間は前モデル同様の10時間を維持している。
サイズは幅185.7×高さ241.2×厚さ8.8mmで、初代iPadから33%薄型化した。重さはWi-Fiモデルが601g、Wi-Fi+3Gモデルが613g。いずれも従来比で15%前後の軽量化に成功している。液晶は1024×768ピクセルの9.7インチで、解像度、サイズともに変更はなし。無線通信も従来通り、IEEE 802.11a/b/g/nとBluetooth 2.1+EDRをサポートしている。
新機能としてiPadのスクリーンをそのままテレビに表示する「ビデオミラーリング」を追加。外部のディスプレイとiPadを別売の「Apple Digital AVアダプタ」または「Apple VGAアダプタ」で接続し、動画やアプリケーションの動作、写真などすべての画面を表示できる。
また、正面と背面にカメラを搭載。バックカメラは720pのHD動画に、静止画は5倍デジタルズームに対応する。フロントカメラはVGA画質の動画/静止画が撮影でき、アップルのビデオ通話「FaceTime」もサポートしている。
カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色に増えた。また、液晶を保護する全10色の純正カバー「Smart Cover」も同時発表。Smart CoverはiPad 2に磁力で付着し、折りたたんでスタンドとしても利用できる。
価格は、iPad 2 Wi-Fiの16GBモデルが499ドル、32GBモデルが599ドル、64GBモデルが699ドルで、米国では3月11日から販売される。iPad 2 Wi-Fi + 3Gは、16GBモデルが629ドル、32GBモデルが729ドル、64GBモデルが829ドル。Verizonネットワークに対応したiPad 2 Wi-Fi + 3Gは米国内でのみ販売され、価格は16GBモデルが629ドル、32GBモデルが729ドル、64GBモデルが829ドル。
日本を含む他の国々(オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイスそして英国)では3月25日から販売開始。世界各国での販売時期と価格については後日発表予定という。日本における3Gモデルのキャリアについては、今のところ発表はないが、アップルストア銀座で開かれたプレス向けの内覧会で展示された3Gモデルでは「sbm」(ソフトバンクモバイル)のネットワークを選択していることが確認できた。
iPad 2の発表に伴い、初代iPadの値下げも発表された。日本国内ではW-Fi 16GBが3万5800円、同32GBが4万4800円、同64GBが5万2800円、Wi-Fi+3G 16GBが4万7800円、同32GBが5万6800円、同64GBが6万4800円。
なお、iPad 2に合わせて、アップル純正のiPadアプリケーションも新たに2本登場する。「iMovie for iPad」は、MacやiPhone 4でも搭載済みのビデオ編集ソフト。今回iPhone版と統合されたユニバーサルアプリとして登場した。iMovieを使うと、iPad 2のユーザーはiPadでビデオを撮影し、iPad上で編集して、YouTube、Facebook、VimeoそしてMobileMeギャラリーにムービーを投稿し、iPod、iPhoneまたはiPadで鑑賞することができる。「GarageBand for iPad」はMacで人気の楽器練習・作曲ソフトのiPad版。iPadを様々なタッチインスツルメントおよび8トラックのレコーディングスタジオに変身させ、実際に楽器を演奏しなくても、マルチタッチジェスチャーでスクリーン上のキーボード、ギター、ドラムそしてベースを演奏することができる。ともにApp Storeでそれぞれ4.99ドル。発売は3月11日。