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 日本マイクロソフトは2011年3月9日、開催中の流通・小売・サービス業向け情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2011」(主催:日本経済新聞社)において、Windows Embedded POSReady 7の試用版の公開と、Windows Embedded Handheld 6.5の日本での提供開始を発表した。一方、展示会場では、NECなどが米グーグルのAndroid OSを搭載したタブレット端末での企業向けソリューションをデモしている。

 Windows Embedded POSReadyは、POS端末向けの組み込みOSで、現在はWindows XPをベースにしたWindows Embedded POSReady 2009が提供されている。その後継として、Windows 7ベースに開発されたのが、Windows Embedded POSReady 7。同日に、試用版となるCTP(コミュニティ・テクノロジー・プレビュー)版が公開された。Windowsタッチによる直感的な操作、Internet Explorer 8を利用したWebアクセス、Windows Media Player 12を用いたマルチメディアコンテンツの再生、BitLocker/BitLocker To Goを利用したハードディスク/USBメモリーの暗号化など、Windows 7と同様の機能をPOS端末上で実現する。

 一方、Windows Embedded Handheld 6.5は、Windows Mobile 6.5をベースとした企業向けの携帯端末用OS。Windows Mobile 6.5の後継としては、コンシューマー向けにはWindows Phone 7が提供されているが、企業向けにアプリケーションの柔軟性や接続に関する選択肢、セキュリティと管理性を高めたのがWindows Embedded Handheld 6.5となる。

電子看板、POS、携帯端末が小売店の“3種の神器”

 「スマーター・リテイリング・フォーラム2011」と題したセミナーに登壇した米マイクロソフト Windows Embedded Business担当プロダクトマネジメントディレクターのムクンド・ガングード氏は、「Windows Embeddedを使うことで、店舗を訪れたお客様にもWebのオンラインショップと同様の魅力的な体験を提供できる」とそのメリットを強調。デジタルサイネージ(電子看板)、POS端末、ハンドヘルド端末という3つの小売店向けデバイスが、顧客の購買体験を豊かにすると同時に、店舗の業務効率や売り上げを向上させると説明した。同氏によれば、POS端末用OSでのマイクロソフトのシェアは90%。ハンドヘルド端末用OSでは87%、デジタルサイネージ用のOSでは70%のシェアを持っているという。

 同氏が紹介したシナリオはこうだ。店舗を訪れた顧客はまずデジタルサイネージを見て商品やキャンペーンの情報を得る。それは単に広告を表示するものではなく、Webのオンラインショップのように双方向性を持ち、タッチインタフェースを通じてリッチなコンテンツを提供する。かつ、カメラを使って顧客の性別や身長などを判別し、ターゲットに応じたコンテンツを表示したり、大きなディスプレイの場合は顧客の見やすい高さに合わせて表示したりできる。そのような次世代のデジタルサイネージを実現するのが、同社が2010年6月にリリースしたWindows Embedded Standard 7だという。

 デジタルサイネージに関して同社は、2010年11月に米インテル、NECと協業することを発表している。インテルのCore i5/i7シリーズを搭載し、「Open Pluggable Specification(OPS)」規格に準拠したデジタルサイネージ専用の制御モジュールとディスプレイをNECが製品化する予定。その試作品はリテールテックJAPAN 2011のNECブースにも展示されていて、2011年の春の発売を見込む。

 デジタルサイネージのコンテンツは、POS端末が管理する売り上げデータにも連動させることができる。データを分析した上で、顧客の属性に合わせたコンテンツを表示したり、その売り場を案内したりといったことが、デジタルサイネージとPOS端末の連携で可能になる。これを実現するのが、Windows Embedded POSReadyというわけだ。

 さらに、顧客が商品の購入を決めた段階で活躍するのが、Windows Embedded Handheldのハンドヘルド端末となる。例えば店頭に商品が無かったときは、ハンドヘルド端末で即座に倉庫の在庫を確認。注文の意志がある場合は、その場で受注処理や配送の手続きを行える。顧客の情報をチェックして住所を調べ、配送予定日の情報なども顧客に提供できる。「店頭在庫が無いといったマイナスの体験も、これらのデバイスで即座に対応することで、プラスの体験に変えられる」(同氏)。

Android端末の参考出品も

 これに対して、展示会場では、コンシューマー向けの端末で採用が急増している米グーグルの携帯端末向けOS「Android」を搭載したデバイスの参考出品も見られた。

 NECは、2010年11月に発表した企業向けのAndroid端末「LifeTouch」を展示。パソコンの訪問サポート担当者が携帯するというシナリオを例にデモしていた。ブースの説明担当者は、「会社のシステムが全てWindowsベースの場合は、使えなくなるアプリがあるかもしれないが、ブラウザーベースのアプリならそのまま使える。Javaで開発できるので、開発は容易。自由にカスタマイズできるのが利点で、企業の個別なニーズにも対応できる」とAndroidを使うメリットを強調。ビジネス利用を想定すると、セキュリティを考慮する必要があることから、端末の集中管理や不正使用の防止、データ保護といったサービスを紹介していた。

 日立電子サービスも、NTTドコモのAndroid端末「GALAXY S」と「GALAXY Tab」を使ったソリューションを参考展示。具体的な製品化は未定としながらも、「開発は進めている」(説明担当者)という。