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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2011年5月27日、下村節宏前会長(三菱電機 取締役会長)の任期満了に伴い、新会長にNEC 代表取締役会長の矢野薫氏が就任したと発表した。

 就任会見で矢野氏は、電機・電子産業における東日本大震災の影響について触れ、「第1四半期(2011年4~6月)は生産活動が停滞し、消費も自粛ムードで停滞しているので下振れするのは間違いない。しかし第2四半期(7~9月)以降は徐々に回復して平常の状態に戻っていくとみている。下期(2011年10月~2012年3月)は、被災地への災害対策や復興需要もあり、震災前より上ぶれする可能性もある。通年ではゼロ、または若干のプラスになるのではないか」と語り、生産設備への打撃や消費の冷え込みから短期間に脱することができるとの見方を示した。

 東北地方にある半導体・電子部品の工場が被災し、自動車をはじめほかの業種の生産に影響が及んでいることについては、「コアとなる部品の製造が特定の工場に集中していたことなど、サプライチェーンに問題があって結果として生産活動に停滞が生じている。反省して対策を取っていかねばと思っている」と表明。その上で、「電機・電子産業が過去に取り組んできた選択と集中は、国際競争力を確保するために必要なことだった。地震が来るからと、日本だけが高いコストをかけるわけにはいかない。そういう狭間の中で、サプライチェーン全体を見渡して考え、新たな知恵を出す必要がある」と語り、災害対策とコスト削減の両立がメーカーにとっての新たな課題になるとの認識を示した。

 夏に予想される電力不足については、「かねて政府に対し電力供給への配慮をお願いしていたが、5月25日に一定の条件下で使用制限を緩和する方針が発表された。これにより、経済活動への影響を最小限に抑えられると考えている。さまざまな節電の取り組みを各社が工夫してやっていけば、節電目標は十分達成可能。生産量を落とさず、経済への影響を最小化していく」とした。

 総務省が5月27日に発表した2011年4月の消費者物価指数が2年4カ月ぶりに前年同月比でプラスを記録したことについては、「震災後、戦後初めてというほど供給サイドが落ち込んでおり、物価の上昇は予想されていたと思う。それが極端でない上げ幅で落ち着いたと考えている」と語り、影響は小さいとの見方を示した。