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 教育をテーマにしたイベント「New Education Expo 2011」が、2011年6月2日に東京・江東区で開幕した。“デジタル教科書”をはじめとした、教育の情報化に関わる最新の製品・サービスが展示され、自治体などによる取り組み事例の発表なども行われている。

 New Education Expoは国内最大級の教育関連イベントで、今回で16回目を数える。総務省、経済産業省、各都道府県の教育委員会などが後援。内田洋行、富士通、インテル、日本マイクロソフトなどが特別協賛する。

 展示会場には、最新のデジタル教科書を体感できるコーナーが設けられた。2011年度から小学校の教科書が改訂されていることを受け、教科書会社各社が新規に発売した教師用のデジタル教科書を展示している。紙の教科書の内容を大きく画面上に提示し、ペンを使って書き込みをしたり一部を拡大して分かりやすく表示したりといったデモを実施。理科の実験の様子を動画で見られたり、コンパスの使い方を画面上で大きく見せたりといった、デジタルならではの利点をアピールしていた。

 2011年度版の教科書が使われ始めたばかりということもあり、デジタル教科書の導入状況については「まだまだこれから」というのが実情のようだ。ただ「予想以上に売れている」との声も複数聞かれた。2009年度の補正予算により、電子黒板などのICT(情報通信技術)環境の整備が進んだこと、教員の関心が高まっていることなどが背景にあるとみられる。内田洋行が展開する、ネットワーク経由で教育コンテンツを配信するサービス「EduMall」でも、2011年度からデジタル教科書の配信を開始。現場からも多くの問い合わせが寄せられているという。

 セミナー会場では、教育の情報化に関する自治体の取り組み事例が紹介された。2009年度から3年計画でICT環境の整備を進めているのが、東京都新宿区だ。“誰もがいつでも簡単に使える”をテーマに、独自の「新宿版教室のICT化モデル」を考案し、これに沿った整備に取り組んでいる。

 具体的には、教室が明るくても問題なく使え、近距離で投影できる短焦点型プロジェクターや、教材などをそのまま映し出せる実物投影機(書画カメラ)などを活用。実物投影機やノートパソコンを配線したまま収納できる「IT教卓」もメーカーと協力して独自開発した。1教室当たりの設置コストは「配線を含めた全体のコストで、電子黒板1台分くらい」(新宿区教育委員会事務局 教育指導課長 工藤勇一氏)で済むという。2010年の3月にこうした環境を整備し、約1年後の2011年3月に活用頻度に関する調査を実施したところ、小学校教員の22.0%が「ほぼ毎時間」、35.0%が「2回に1回程度」、30.6%が「5回に1回程度」と回答するなど、順調に活用が進んでいるという。

 イベントは、6月4日まで続く。総務省による教育現場でのICT活用プロジェクト「フューチャースクール推進事業」の事例発表や、同プロジェクトの研究会の座長である東京工業大学の清水康敬監事・名誉教授の講演などが行われる。社会人に向けた教育に関しては、楽天による「TOEIC」の活用事例なども紹介される予定だ。