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 AMDは2011年6月14日、CPUとグラフィックス機能を統合した新型プロセッサー、Aシリーズを正式に発表した。開発コード名「Llano」(ラノ)と呼ばれていた製品だ。日経WinPC編集部はノートPC向けAシリーズを搭載したLlano評価キットを入手、性能を評価した。

 Aシリーズの詳細については関連記事(AMDがFusion APUの第2弾、Aシリーズを正式に発表)も参照してほしい。

 AシリーズのCPUのコアは現行のPhenomやAthlonと同等。AMDは「Stars」コアと呼んでいる。各コアごとに1MBの2次キャッシュを備えるが、共有3次キャッシュは無い。Aシリーズが統合しているグラフィックス機能は、単体グラフィックスチップの「ATI Radeon HD 5600」シリーズをベースにした「Sumo」(開発コード名)。元のATI Radeon HD 5600シリーズが搭載していなかった、最新の動画支援機能「UVD3」を備えている。

 Aシリーズはグラフィックス機能の他、従来のAMD製CPUと同じくメモリーコントローラーを内蔵する。チップセットは専用品で、PCI Express 2.0をベースにした独自インターフェース「UMI(Unified Media Interface)」で接続する。UMIは片方向2GB/秒、双方向で4GB/秒だ。

 Aシリーズの基本的なラインアップは下の表の通りだ。A8、A6、A4の3シリーズがある。ダイサイズは228mm2、トランジスター数は15億と共通。グラフィックス機能は3シリーズで異なる。A8はシェーダー数が400個、A6が320個、A4が240個だ。グラフィックスコアの動作周波数は、ノートPC向けよりデスクトップPC向けの方が高い。

●Aシリーズの基本仕様
シリーズA8A6A4
ダイサイズ228mm2228mm2228mm2
トランジスター数15億15億15億
シェーダー400個320個240個
SIMD5個4個3個
コア動作周波数(ノートPC向け)444MHz400MHz444MHz
コア動作周波数(デスクトップPC向け)600MHz443MHz443MHz

 Aシリーズの一部のモデルでは「Turbo CORE」を搭載している。軽い負荷が続くときにコアの動作周波数を自動で引き上げる仕組みだが、AシリーズはCPUだけでなくグラフィックスコアの負荷も考慮して動作周波数を制御する。AMDによると「搭載している数の半分のコアの動作周波数が上がる」(4コアなら2コア)。具体的に、どういった条件で切り替わるのかや、何段階で変わるかといった詳細については回答が得られなかった。

 ノートPC向けとしてAMDが発表したAシリーズの仕様を下にまとめた。各シリーズで搭載するグラフィックス機能は、A8が「HD 6620G」、A6が「HD 6520G」、A4が「HD 6480G」と共通だ。CPUのコア数はA8とA6が4個、A4が2個だ。動作周波数は1.4G~2.1GHzで、Turbo CORE時は2.3G~2.6GHzで動作する。

●ノートPC向けのAシリーズ
モデルRadeon
ブランド名
TDPコア数2次キャッシュ総量CPUコア
動作周波数
(最大/規定)
シェーダー数グラフィックスコア
動作周波数
対応メモリー
A8-3530MXHD 6620G45W44MB2.6GHz/1.9GHz400444MHzDDR3-1600、DDR3L-1333
A8-3510MXHD 6620G45W44MB2.5GHz/1.8GHz400444MHzDDR3-1600、DDR3L-1333
A8-3500MHD 6620G35W44MB2.4GHz/1.5GHz400444MHzDDR3-1333、DDR3L-1333
A6-3410MXHD 6520G45W44MB2.3GHz/1.6GHz320400MHzDDR3-1600、DDR3L-1333
A6-3400MHD 6520G35W44MB2.3GHz/1.4GHz320400MHzDDR3-1333、DDR3L-1333
A4-3310MXHD 6480G45W22MB2.5GHz/2.1GHz240444MHzDDR3-1333、DDR3L-1333
A4-3300MHD 6480G35W22MB2.5GHz/1.9GHz240444MHzDDR3-1333、DDR3L-1333

 ノートPC向けのAシリーズは、CPU内蔵のグラフィックス機能と外付けのグラフィックスチップを切り替えたり、組み合わせて使える。CPU内蔵と外付けを組み合わせて描画性能を高めるのが「Dual Graphics」。以前は「Hybrid CrossFireX」と呼んでいた機能だ。「Switchable Graphics」が内蔵と外付けを切り替える機能。内蔵を使えば消費電力を抑えられる。外付けチップにすると、描画性能が高くなる。

 Switchable Graphicsで内蔵と外部を切り替えるには、設定その1の画面で「手動で、または電源に応じて~」を選んだ後、設定その2の画面で「省電力 GPU」か「ハイパフォーマンス GPU」を選ぶ。前者で内蔵が、後者で外部チップが有効になる。Dual Graphicsを使うには、設定その1の画面で「アプリケーションのニーズに応じて~」を選んだ後、設定その3の画面で「CrossFireを有効にする」にチェックを付け、個別に動作させるアプリケーションを指定する(設定その4)。

【設定その1】Switchable Graphics機能で、内蔵か外部どちらかのグラフィックス機能に切り替えるなら「手動で、または電源に応じて~」を、Dual Graphicsを使うなら、「アプリケーションのニーズに応じて~」を選ぶ。
【設定その1】Switchable Graphics機能で、内蔵か外部どちらかのグラフィックス機能に切り替えるなら「手動で、または電源に応じて~」を、Dual Graphicsを使うなら、「アプリケーションのニーズに応じて~」を選ぶ。
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【設定その2】内蔵グラフィックスを使うなら、「省電力 GPU」を、外部のグラフィックスチップを使うなら「ハイパフォーマンス GPU」を選ぶ。
【設定その2】内蔵グラフィックスを使うなら、「省電力 GPU」を、外部のグラフィックスチップを使うなら「ハイパフォーマンス GPU」を選ぶ。
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【設定その3】Dual Graphicsを使うなら、この画面でチェックを付ける。
【設定その3】Dual Graphicsを使うなら、この画面でチェックを付ける。
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【設定その4】この画面で、Dual Graphicsで動作させたいアプリケーションを指定する。
【設定その4】この画面で、Dual Graphicsで動作させたいアプリケーションを指定する。
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