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 東日本大震災で大きな被害を受けた自治体にとって、何より大切なのは各地域の被災・復興状況を正確に把握すること。そのときに欠かせないのが、大判の地図だ。Googleマップ全盛の時代でも、やはり最後に頼りになるのは大きな紙。職員たちは、大判の地図を囲んで日々議論を重ね、復興計画を練り直していく。

 被災地の1つ、宮城県気仙沼市では大判プリンターを導入し、必要に応じてすぐに地図を印刷できる体制を整えている。このプリンターは「B0プラス」に対応した特大サイズで、幅は最大で約1.1m、縦の長さは最大15mまで対応する。市内における津波の浸水域、道路の被災状況など、目的に応じてさまざまなタイプの地図をその場で印刷できる。

左は気仙沼市の津波の浸水域を示した地図。右は、津波の直撃を受けた港や市街地の様子。
左は気仙沼市の津波の浸水域を示した地図。右は、津波の直撃を受けた港や市街地の様子。
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 用途は地図だけではない。避難所に貼り出すポスターも、これを使って印刷している。下の「トイレに、愛を。トイレから、愛を。」もその1つ。避難所でトイレを使う際の注意点をまとめたものだ。A4用紙1枚に書きなぐるより、はるかに見栄えがするし、お年寄りや障害者に対する暖かい配慮も伝わってくる。

避難所のトイレに貼ったポスター。これも大判プリンターで印刷した。
避難所のトイレに貼ったポスター。これも大判プリンターで印刷した。
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 震災前の街並みを記録したモノクロ写真も、このプリンターで印刷して市役所のロビーに展示した。こちらは80年代後半の街並み写真が中心で、当時の写真を見ると気仙沼港も秋風に吹かれて穏やかな表情を見せている。やはり懐かしさが込み上げてくるのか、写真の前に立ち止まってじっと見入っているお年寄りもいた。

震災前の市内の様子を、大判のモノクロ写真に引き延ばして展示した。80年代後半の写真が多い。
震災前の市内の様子を、大判のモノクロ写真に引き延ばして展示した。80年代後半の写真が多い。
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気仙沼市役所で使用されていた大判プリンターは、セイコーエプソンの「MAXART PX-F10000」。B0プラスまで対応している。
気仙沼市役所で使用されていた大判プリンターは、セイコーエプソンの「MAXART PX-F10000」。B0プラスまで対応している。
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 気仙沼市の危機管理課主査の鈴木秀光氏は「われわれの業務は、場所を確認する作業がとても多い。その意味でも、いろいろなタイプの大判地図を迅速に印刷できるのは助かる」と話す。もともと官公庁は、一般企業以上に「紙で確認する」文化が根強く残っている。その意味でも、役所の仕事と大判プリンターは、相性がいいようだ。