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 弥生は2012年6月14日、クラウドサービス「弥生オンライン」を、2012年9月初旬に正式公開することを明らかにした。会計の知識がない事業者でも、日々の売り上げや支払いの記録を付けるだけで、仕訳データを入力可能にする。入力された情報は会計事務所がソフトに読み込めるため、そのまま会計業務に活用できるという。

 製品コンセプトは、中小企業や個人事業主と、会計事務所の双方にとってメリットのある仕組みを提供すること。弥生オンラインでは、日報を書くイメージでデータを入力できる画面を用意。知識不足などからこれまで会計ソフトを活用してこなかった事業者でも利用できるようにする。入力した情報は仕訳データに自動変換。会計事務所は、顧客である事業者のデータを会計ソフト「弥生会計AE」に読み込める。会計事務所が大きな労力を払っていた記帳代行が不要になり、経営アドバイスのような付加価値の高い業務に専念できるとしている。

 同社は数年前から、クラウドサービスに取り組んできた。2010年にはWindows Azureの採用を表明し、小規模なERP(統合基幹業務システム)のベータ版を限定公開。だが新技術への対応や人材確保の難しさに加え、新たな顧客層の開拓につながりにくいとの判断から、コンセプトを見直した。従来会計ソフトを使ってこなかった事業者が使えるサービスとすることで、「新規顧客の獲得を狙う」(岡本浩一郎社長)。

 弥生オンラインは、2012年7月2日に、同社のパートナーである会計事務所向けに招待制でベータ版を公開。8月初旬に、パートナーに向けて広くベータ版を提供開始するという。調査によれば市場規模はまだ小さいが、「市場の起爆剤にしたい」(岡本氏)と意気込む。

 2008年から取り組んでいる起業家支援の事業にも、引き続き力を入れる。2012年5月には、起業家としての資質を遊び感覚で診断できるサイト「皆藤愛子みんなの起業診断所」や、起業支援サービス「ドリームゲート」を運営するプロジェクトニッポンと共同で起業支援サイト「開業計画NAVI」などを開設。スマートフォン向けアプリ開発コンテストなども実施し、技術者などの起業を支援する。

 一方で、「弥生会計」「弥生販売」といった業務ソフトの売り上げは、順調に推移しているという。2011年末に発売した「弥生12」シリーズの市場シェアは、本数/金額共に向上。本数シェアは53.7%と「初めて50%の大台を超えた」(岡本氏)。今後2~3年は大規模な法令改正が続く見込みで、「対応したバージョンを、高い品質でタイムリーに提供していく」(岡本氏)という。

 今秋にも登場すると見られる「Windows 8」にも対応予定。ARM系CPUに対応した「Windows RT」については検討中という。Windows 8は「メトロ(Metro)」という新しいユーザーインタフェースやアプリの形態を採用するが、「弥生製品そのものをメトロに対応させるのはハードルが高い。製品の一部機能を切り出してメトロアプリ化したり、製品と一緒に使うと便利な小さなアプリをメトロで開発したりすることを考えている」(岡本氏)。