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 NECパーソナルコンピュータは2012年8月1日、報道関係者向けの技術説明会「Tech Day」を開催し、8月23日に発売予定の携帯ノートパソコン「LaVie Z」シリーズの軽量化技術について解説した。LaVie Zは、厚さ14.9mmで重さが875gと、13.3型液晶を搭載したノートパソコンとしては最薄、最軽量となる。

 説明会の冒頭では、同社の商品開発・商品企画担当執行役員の小野寺忠司氏が登壇。「LaVie Zの発売以降、『NECは変わった』『NECの底力を見た』と、多くの人に言っていただいた」とLaVie Zの手ごたえを語った。

 続いて、同社コンシューマPC商品企画本部の中井裕介氏がLaVie Zの商品コンセプトを解説した。同社が2010年6月に実施した調査によれば、11型~13型の携帯ノートパソコンを購入したユーザーが「最も重視する」とした項目は、「軽さ」が最多で37%。「薄さ」の8%を大きく上回った。

 そこでNECパーソナルコンピュータでは、世界最軽量を目指すことを決定。800g台の重さを目指した理由については、「見た目は薄くて格好良いパソコンなのに、実際に手に持つとずっしりと重くてがっかりする製品が多い。開発をスタートした2011年時点では、1.1~1.4kgの携帯ノートが多かったので、2012年には1kgを切る製品が登場すると予想した。それを上回る“ダントツの世界最軽量”を実現するために800g台を目標とした」と語った。

 次に、同社商品開発本部の柳澤恒徳氏が、新開発のマグネシウムリチウム合金について解説した。マグネシウムリチウム合金は、比重が1.36とPETなどのプラスチック並みに軽く、たわみにくさ(ヤング率)はマグネシウム合金(比重1.82)と同等。アルミニウム合金(比重2.7)よりはたわみやすいが、厚さを0.1mm増せば同等の強度を確保できるという。その場合、アルミニウム合金よりも4割以上軽量にできる。

 マグネシウムリチウム合金は、1950年代に米国のバテル研究所やNASAが開発していた。しかし、不純物を除く高純度化や、さびなどを防ぐための表面処理が難しかったため、一般用途にはほとんど実用化されていなかった。

 同社では、2009年からマグネシウムリチウム合金に着目し、リチウムの加工技術に優れた会社や、金属表面処理の有力企業と協業を開始。製品化の段階では、素材作成担当の1社、圧延・研磨・切断担当の2社、プレス、表面処理、塗装の各1社の計6社40名以上からなる開発チームを結成。柳澤氏は“七人の侍”と例えた。

 製品化の際は、「断面に現れない不純物が発生する」「プレス成形時に曲げた部分が荒れる」「塗装すると表面に縞模様が発生する」などのトラブルが起こったが、協力企業での工程見直しなどの工夫で解決した。具体的な解決方法については、「一部、協力会社の企業秘密に当たるので詳細の公開は控えたい」として明らかにはしなかった。

 最後に、同社商品開発本部の梅津秀隆氏が、機構設計による軽量化について説明した。

 通常、液晶ディスプレイは「LCDユニット」を購入して組み立てれば完成するが、LaVie Zでは、軽量化のためLCD部品を直接マグネシウム合金の外装部品に取り付けている。これにより、厚さを0.3mm、重さを4g削減できた。

 もう1つ工夫したのは基板の設置方式。通常、基板は底面の外装部品に固定する。しかし、LaVie Zは底面がマグネシウムリチウム合金であるため、複雑な形状にはできなかった。そこで、パームレストやキーボード面のマグネシウム合金製の外装部品に、キーボードや基板を固定する手法をとった。さらに、0.8mmと薄い8層の基板を採用することで、基板の重量は部品を取り付けた状態で92gまで軽くできた。また、キーボードのたわみを防ぐため、64本ものねじで固定しているという。

 小野寺氏は、さらなる軽量化や、今後の応用について、「課題はいくつかあるが、例えば天板もマグネシウムリチウム合金にすれば、さらに軽量化はできるし、そのほかにも研究中の軽量化技術はいくつかある。マグネシウムリチウム合金の活用については、NECグループ内で携帯電話に使えるのではないかというアイデアは出ているし、ほかにも活用分野はあると思う」と語った。