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 障害や病気を持つ児童や生徒が、大学や社会といった環境を体験する「DO-IT Japan 2012」の夏期プログラムが、2012年8月1日から開催されている。東京大学先端科学技術研究センターが中心となって毎年開催しているもので、日本マイクロソフトやソフトバンクモバイルなどの企業が共催の形で参加している。8月3日には、文字を読むのに時間がかかったり、文字を書くのが苦手といった困難を抱える小学生10人が、iPadを学習に使うための方法を学んだ。

 子どもたちが取り組んだのは、午後から出かける予定の東京大学駒場博物館の下調べ。講師から展示に関するパンフレットが渡されたが、文字が小さく、難しい漢字も多いため、読みにくい。そこで、iPadを駆使してこれを克服する。

 まずは、iPadのカメラ機能でパンフレットを撮影。画像を、「Doc Scan HD」というアプリで読み込む。これでパンフレットの四隅を指定すると、撮影時のゆがみが補正され、パンフレットが長方形の形で表示される。これを指で拡大すれば、細かな文字でも読みやすくなる。

 難しい漢字があれば、アプリ「常用漢字筆順辞典」を起動。その漢字を手書きして、表示された文字の候補から目的のものを選べば調べられる。意味が分からなければ、「大辞林」のアプリで調べたり、「Wikipedia」などインターネット上のサイトで調べてもよい。

 文字を読むのに時間がかかる子どもには、iPad標準の音声読み上げ機能「VoiceOver」が便利だ。特定の文字だけを選んで読み上げることも可能で、漢字の読みを調べる用途でも使える。

 メモを取るのに使えるのが、iPadのカメラ機能。内容をペンで写し取らなくても、前方のディスプレイを撮影するだけでよい。文字を書くのが苦手な子にとっては特に便利に使える。子どもたちにはICレコーダーも渡され、手軽に音声メモを残す方法も学んでいた。

 iPadを初めて使う子どもも複数いたが、皆すぐに操作法を覚え、スムーズに操作していた。「画面を拡大するにはこんな方法もある」「このアプリを使えば画面上に文字が書ける」など、講師が紹介していない機能を自在に使いこなす子どもも。手を挙げて率先して前に立ち、他の子どもたちに操作法を伝える場面が何度も見られた。

 こうしてiPadの操作法を習得した後は、iPad上で算数などのテストを受けるという課題に挑むという。問題文を音声で読み上げる機能や、計算の過程を残しておける電卓機能などを使いながら問題を解けるというテストだ。子どもたちは事前に同じ問題に紙のテストで挑んでおり、その際には解けなかった問題も、iPadの機能を使えば解ける可能性がある。こうした経験を積むことで、学習意欲や知的好奇心の向上を狙う。