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 セイコーエプソンは2012年8月21日、ビジネス向けの新型インクジェットプリンター9製品を発表した。今回発表したのは全てA4対応機で、うち6製品がカラー対応、残りの3製品がモノクロ対応となる。同社は今回の新製品全体で年間25万台の販売を見込む。2012年のビジネスインクジェット機の市場は全体で約120万台。同社としてはそのうちの60万台、シェア50%を目標としている。

 都内で開催された発表会で登壇したエプソン販売の中野修義 取締役 販売推進本部長は次のように述べた。「複合機を含むページプリンターの市場は緩やかに減少しつつある。一方、インクジェット機のオフィスでの利用は増加している。大量印刷というところから、少量でさまざまな用途での印刷へとニーズが移りつつある」。同氏によれば、ビジネスインクジェット機を使うメリットは4つある。(1)印刷コストが安い(2)1枚目の印刷(ファーストプリント)が速く、少量印刷のニーズに応えられる(3)対応する用紙の種類が豊富(4)節電に向く――という4点だ。これに加え、新製品ではネットワークを使ったエプソンの独自機能「Epson Connect」を強化している。

インターネットを使ってファクスを代替

 Epson Connectというのは、ネットワークを使ってプリンターを活用する機能のことだ。例えばパソコン、スマートフォンやタブレットといったさまざまな端末から、外出先から自宅・オフィスなどに設置したプリンターに対して印刷できる。今回新たに追加したのは「メールdeリモート印刷(プリンターtoプリンター)」「スキャンtoクラウド」「リモートプリンタードライバー」といった機能だ。

 メールdeリモート印刷というのは、ビジネスインクジェット複合機でスキャンした文書を、ネット経由で別のプリンターに対して出力するというもの。ファクスの通信費が掛からずに、ファクスのような使い方ができる。同機能に対応するプリンターにはメールアドレスが割り振られている。そのメールアドレス宛てに、別の対応プリンターからスキャンデータを印刷するという要求を送ると、インターネットにアクセスし、エプソンのサーバーを経由してデータが該当のプリンターに送られ、出力されるという仕組みだ。

 スキャンtoクラウドというのは、メールdeリモート印刷の機能を使い、サーバー上にデータを置くというもの。リモートプリントドライバーというのは、パソコンからインターネット経由で印刷するための共通ドライバーのことだ。こうしたEpson Connectの新機能をユーザーに提供することで、新しい使い方、新しいプリンターの価値を創造していくのが同社の狙いだ。

低価格A4機の市場を取りに行く

 エプソンが今回投入した新製品は、全てA4機となる。これは、A4インクジェット機の市場が伸びているためだ。エプソン販売の鈴村文徳OP MD部 部長は、「プリンター市場は飽和していると言われるが、ビジネスインクジェットについてはまだ伸長する余地がある」と語る。例えばA3判対応のインクジェット複合機。2011年にA3インクジェット複合機の市場は238%の伸びを見せた。それまではブラザー販売の独占市場であったが、エプソンが新製品を投入したことで販売台数は2倍以上に増えた。そのうち、エプソンのシェアは全体の58%。ブラザーのシェアを奪ったのでなく、市場全体が広がったことになる。

 では、A4インクジェット複合機の市場はどうか。この市場も115%から120%の伸びがあると予測されている。鈴村氏によれば、エプソンは2万5000円以上の価格帯ではシェア65%を持つという。ところが、同社には2万5000円以下の低価格帯の製品がこれまでなく、A4インクジェット複合機の市場全体としてはシェア19%にとどまる。そこで今回は、ミドルレンジの製品ラインアップを拡充するとともに、低価格帯の製品にも注力したという。2012年のA4インクジェット複合機の市場予測は約9万台。同社としてはうち5万台、シェア55%を取ることが目標だという。ビジネス向けインクジェットプリンター市場全体として120万台と予測されており、エプソンはそのうちの60万台、シェア50%を目標としている。

  • エプソンのビジネスインクジェットプリンターのWebページ
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