米インテルは、2013年1月8日(米国時間)に開幕した「2013 International CES」の会場で、新型CPUを搭載した製品を展示している。
インテルは1月7日の発表会で4種類のプラットフォームを紹介した。1つ目は、低価格帯スマートフォン向けの、Atom Z2420プラットフォーム(開発コード名はLexington)。Atom Z2420(1.2GHz)は、従来のスマートフォン用CPUであるAtom Z2460より動作周波数は低いが、価格が安いシングルコアCPU。フルHD動画のエンコード/デコードができる性能は確保している。
インテルは、レファレンス(技術参照)モデルをブースで展示していた。Android 4.0を搭載し、500万画素と120万画素のカメラを内蔵する。500万画素の写真を毎秒7枚撮影するデモなどを行っていた。現時点で、台湾エイサー、インドのラヴァ、ケニア・サファリコムが対応スマートフォンの開発を表明している。
2つ目は、2012年の開発者向け会議「Intel Developer Forum 2012」で開発を表明していた、Atom Z2580プラットフォーム(開発コード名はClover Trail+)だ。Atom Z2580はデュアルコアCPUで、グラフィックス機能もデュアルコアになっている。性能を現行のAtom Z2460の2倍にしながらも、消費電力は同等に抑えたという。
中国レノボは、このプラットフォームを採用した新型スマートフォン「IdeaPhone K900」の試作機を展示していた。画面は1920×1080ドットの5.5型。CPUは2GHzのAtom Z2580、メモリーは2GB。厚さ6.9mmで162gと薄型だ。OSはAndroid 4.1。2013年4月に中国で発売するほか、ベトナムやフィリピンなどでも販売する見込みだ。
3つ目は、「Bay Trail」の開発コード名で呼ばれていたタブレット用の新型Atom。現行の「Atom Z2760」(開発コード名はClover Trail)が32nmプロセスで製造されているのに対し、Bay Trailは22nmプロセスのクアッドコアだ。性能をおよそ2倍にしつつ、24時間以上バッテリー駆動できるように設計しているという。2013年後半に搭載製品が登場予定だ。発表会ではWindows 8が動作する試作機を紹介していた。
第4世代Coreプロセッサー(開発コード名はHaswell)に関する追加情報もあった。新しいUltrabookのレファレンスデザインはHaswellをベースにする。バッテリー駆動時間は連続9時間以上を見込む。タッチパネル対応や、無線LANを通じて画面を伝送する「WiDi」機能への対応が必須になる。登場は2013年後半の予定。発表会では、開発コード名「North Cape」というキーボード分離式の試作機を披露した。
このほかインテルは、現行の第3世代Coreプロセッサー(開発コード名はIvy Bridge)に、消費電力の低いバージョンを追加した。「SDP(scenario design power)」と呼ぶ発熱の指標を7Wに抑えた製品。プロセッサー・ナンバーの末尾に「Y」が付く。パソコン設計時に使う発熱の指標である「TDP」は13Wだ。CES会場では、レノボがこのCPUを採用した11.6型のUltrabookである「IdeaPad Yoga 11S」を展示していた。