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 米Appleの電子書籍事業を巡る独占禁止法違反訴訟の審理が現地時間2013年6月3日に米ニューヨーク州南部の連邦裁判所で始まると、複数の米メディア(New York TimesWashington Postなど)が報じた。

 この訴訟は、Appleと出版大手5社が協定を結んで電子書籍の小売価格をつり上げた疑いがあるとして、米司法省(DOJ)が2012年4月に起こしたもの。DOJは、これら6社が書籍の販売価格を書店が設定できる従来の「卸売りモデル」から価格の決定権を出版社が握る「販売代理店モデル」に契約形態を移行することで、それまで米Amazon.comで大半が9.99ドルだった新刊やベストセラー書籍の電子版が12.99ドル~14.99ドルで販売されるようになったと指摘している(関連記事:米司法省、電子書籍の価格カルテルでAppleと出版大手を提訴)。

 またDOJは、Appleの故Steve Jobs前最高経営責任者(CEO)が出版社幹部に送った電子メールの内容を含む文書を2013年5月14日に裁判所に提出し、「Appleが中心となって価格操作を行った明らかな証拠だ」として、Appleが米シャーマン法(独占禁止法を構成する法令)に違反したとあらためて主張した(関連記事:「Appleは電子書籍の価格操作で独禁法に違反」、米司法省が文書を提出)。

 なお、Appleを除く出版5社(米News Corporation傘下のHarperCollins Publishers、ドイツVerlagsgruppe Georg von Holtzbrinck傘下のMacmillan、英Pearson傘下のPenguin Group、フランスLagardere傘下のHachette Book Group、米CBS傘下のSimon & Schuster)は、すでにDOJと和解している。

 審理は数週間におよぶ見通しで、Amazon.comや米Barnes & Noble、出版5社からも証人が出廷し、Jobs氏の電子メールも証拠提出されると見られる。

 英メディアの報道(Reuters)によると、同審理を担当するDenise Cote判事は5月23日に、「Appleが故意に電子書籍の価格引上の共謀に荷担および推進したことを裏付ける直接的な証拠を政府当局は示すことが可能だ」との事前見解を述べている。こうしたコメントからAppleは和解の道を探るとも思われるが、同社現CEOのTim Cook氏は5月30日のインタビューで、「やっていないことをやったと言われている。(和解の)サインをするつもりはない」と答えている。