エヌビディアは2013年8月1日、東京工業大学(東工大)と共同でプログラミング教室「CUDAサマーキャンプ 2013」を開催した。高校生を対象にした講座で、講師は東工大学術国際情報センターの青木尊之教授と下川辺隆史助教。参加者はエヌビディアのGPU(graphics processing unit)を採用した東工大のスーパーコンピューター「TSUBAME2.0」を利用して、並列コンピューティングの基本を学んだ。
CUDAはエヌビディアのGPUを汎用の並列演算に使うための開発環境。CUDAサマーキャンプは「プログラミングに興味のある学生に新しい並列コンピューティングの可能性を体感してもらう」(エヌビディア)ことを目的として毎年開催しており、今年で5回目。全国の高校生や高等専門学校生が対象で参加費は無料だ。今年は定員50名で募集したところ82名の応募があり、最終的に女性3名を含む77名が参加した。2012年までは8月末に開催していたが、この時期だと授業が始まっていて参加できないとの声があったことから約1カ月前倒しした。
講座の冒頭で、CUDAを開発した米エヌビディアGPUコンピューティングソフトウェアゼネラルマネージャーのイアン・バック氏が「並列コンピューティングはまだ新しい分野で使い方には探求の余地がある。興味を持ってがんばってほしい」と参加者を激励。「かつては、グラフィックスチップを汎用演算に使うのにグラフィックス用API(application programming interface)を通じてしか作業できず扱いにくかった。大学院ではコンピューティングモデルと言語の開発について研究していた。これを生かし、多くの人になじみ深いC言語の拡張として扱えるようにして使いやすくした」と、CUDA開発の狙いと経緯を説明した。