PR

 教育システム情報学会は2014年9月10日~12日の3日間、和歌山大学で全国大会を開催している(写真1)。今大会のテーマは「多様化する教育・学習工学とそれを支える基盤技術~形式知・経験知・身体知、そして創造性の育成~」である。論文発表や公開フォーラムなど約70のセッションが設けられ、約400人が参加した。

写真1●基調講演の模様
写真1●基調講演の模様
[画像のクリックで拡大表示]

 2日目に行われた基調講演では、教育システム情報学会長を務める前迫孝憲大阪大学大学院人間科学研究科教授が登壇した(写真2)。前迫教授が講演で重きを置いたテーマの一つが、「この10年間、教育とシステムの関わりはどれだけ深まったのか」である。日本国内動向として、災害対策に役立つ新しい教育機関向け通信インフラの整備や、映像合成を活用した遠隔教育技術の開発(地方と都市との授業連携)などの事例を示し、新たな取り組みが続々と生まれていることを示した。

写真2●基調講演に登壇した教育情報システム学会長を務める前迫孝憲大阪大学大学院人間科学研究科教授
写真2●基調講演に登壇した教育情報システム学会長を務める前迫孝憲大阪大学大学院人間科学研究科教授
[画像のクリックで拡大表示]

 だが、危機感もあらわにする。教育関連のシステム構築やコンテンツ作成の専門家育成に注力する中国や台湾などの事例を示し、日本を上回るスピードで教育とシステムの関わりが深まっていることを説明した。その上で学会や教育・研究者の使命として、「人間と技術、教育とシステムの関わりを見つめ、叡智を集めて地域社会基盤を構築する必要がある」と強調した。

 本学会のメインである論文発表では、情報リテラシー教育やアクティブラーニングの研究発表、eポートフォリオやLMS(ラーニング・マネジメント・システム)といった教育を支える各種システムの先端的な取り組みなど、約70のセッションが設けられた(写真3)。発表テーマは教育システム情報学会の第39回 全国大会 案内サイトで公開されている。

写真3●論文発表の模様。写真は「eポートフォリオ導入の実践的アプローチ」について発表する畿央大学教育学習基盤センターの宮崎誠氏
写真3●論文発表の模様。写真は「eポートフォリオ導入の実践的アプローチ」について発表する畿央大学教育学習基盤センターの宮崎誠氏
[画像のクリックで拡大表示]