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 いつの時代も、大好評で絶好調のパーツがある一方で、さっぱり売れないパーツもある。2013年における、ヒットを飛ばした「良パーツ」とダメな印象が残った「残念パーツ」は何だったのか。PCパーツショップのスタッフに今だから語れる本音を教えてもらった。

 自作PC市場には毎月多数の新製品が登場する。性能や使い勝手、値付けの妥当さは千差万別で、全ての新製品の満足感が高いとは限らない。期待は大きかったのにいざ発売になったら売れ行きが芳しくなかったり、逆に注目されていなかった製品が爆発的にヒットしたりする。そうした市場の動きに注目するのも、自作PCの楽しみ方の一つといえる。

 東京・秋葉原の主要PCパーツショップのスタッフに2013年を通じて印象に残っているヒットパーツといまひとつだったパーツについて取材。ジャンル別にまとめた。ただし、「残念」に分類したパーツを満足して使っている人もいるだろう。パーツは組み込むPCや使い方によって、使いものになる/ならないが大きく変わるからだ。ここに掲載したのは、あくまでもパーツショップのスタッフが、製品の売り手として抱いた感想だとお断りしておく。


鳴り物入りでデビューするも誰にも振り向かれなかった「怪物」

 Turbo CORE時には、4.7GHzもの高い周波数で動作する8コアCPUとして、2013年10月に登場したAMDのFX-9370(当時の価格は約2万6000円)。このCPUほど酷評が多かった例も珍しい。これまでの一般的なCPUでは到達できなかった高い動作周波数でも、常識を超えた高いTDP(Thermal Design Power、熱設計電力)とその割にあまりよろしくない性能の評判から、ユーザーに見向きもされなかった。

 TDPが高いCPUほど電力を食うし、発熱するので高度な冷却機構が求められる。通常のラインアップでは高性能CPUでもTDPは125W程度。Intelの主力CPUは100W以下で、低消費電力CPUだと45Wや65Wなどだ。

 「FX-9370はTDPが220Wもあるので、オーバークロックを楽しむにしても電源周りや冷却装置を一からそろえないと厳しい。それなのに実際の性能はそれほどでもないというのが致命的でした」(パソコンショップ アーク)。2014年2月時点でも、複数のショップで「怪物襲来」と書かれたFX-9370のポスターを目にする。在庫はもちろん潤沢だ。

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