AMD(ATI)とNVIDIAが相次いで新しいグラフィックスチップを発表した。各チップとも高性能でありながら低価格であるため、既存チップ搭載のグラフィックスボードは大幅に値下がりした。まさに今が買い時。新旧合わせて24製品を徹底比較した。
NVIDIAは6月16日に最新ハイエンドグラフィックスチップ「GeForce GTX 280」「同260」を発表し、AMD(ATI)が6月25日に「Radeon HD 4870」「同4850」を発表した。6月下旬からこれらのチップを搭載したグラフィックスボードが発売されたが、特にAMDの新チップ搭載ボードが高性能ながら低価格であるため、既存の製品も大幅に値下がりした。
この結果、新チップ登場前と比べると、わずか1カ月ですべてのグラフィックスボードの価格は大きく下がった。新チップ発表前の6月上旬と、発表後の7月上旬の1カ月の価格の推移を表したのが下の表だ。特に下落が激しいのが、最上位製品。新製品のGeForce GTX 280が6万円台後半である影響を受け、従来の最上位である「GeForce 9800 GX2」は約7万円から4万円台後半まで、2万円以上も値下がりした。AMDもRadeon HD 4870が3万円台後半の実勢価格であるため、従来の最上位「Radeon HD 3870 X2」は約5万円から4万円強に下がった。

このほか、ミドルクラスの製品は約1万円、ローエンドの製品でも5000円程度値下がりしたため、価格の面では、かつてのミドルクラスの製品がローエンドに、ハイエンドの製品がミドルクラスになってしまった。こうした価格の変動を受け、NVIDIAはGTX 260と「GeForce 9800 GTX」の間を埋める製品として、「GeForce 9800 GTX+」を発表した。アーキテクチャーは、GTX 280や同260より1世代古いが、製造プロセスを65nmから55nmへ微細化し、動作クロックを上げている。実勢価格は2万円台後半だ。