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笠羽 晴夫=アート・メディア評論家、元デジタルアーカイブ推進協議会事務局長

 最近ではデジタルアーカイブを、博物館や美術館の所蔵品などを手軽に閲覧できる手段として認識している人が多い。しかし海外でただ「アーカイブ」といえば、まず国や行政機関の公文書を保存する施設を指す。我が国にもそれに相応する国立公文書館がある。

 ところが、その公文書の分野にも関わらず、デジタルアーカイブとしてしか存在しない世界がある。

 現物の史料が集積され、保存、整理・分類されてアーカイブになり、それがデジタル化されてデジタルアーカイブとなるのが一般的だけれども、中には物理的に分散して存在する複数の史料(アーカイブ、ライブラリー)から、いくつかのテーマをもとに、デジタル化されたデータを集めてデータベース化し、事実上(ヴァーチャルな)一つのアーカイブとしたものだ。これはデジタル技術の妙味であり、今回紹介する「アジア歴史資料センター」はその中でも本格的なものである。

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