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「すぐに役立つ印刷テンプレート」コーナーで公開しているテンプレートデータの作者である山北末廣氏による、テンプレートをより有効に活用するためのテクニックやノウハウの解説です。今回の記事は病院の外来窓口向けのメニューがテーマです。

 街の開業医院や総合病院といったいわゆる「医療機関」では、意外と張り紙や書類が多いのにお気付きだろうか。例えば、ゴールデンウィークやお盆、年末年始など、通常の診療日とは別に臨時休診になる日がある。こういう場合、通常の診療時間や休診日などの表示とは別に、臨時休診を告知するポスターが別途掲示される。待合室には他にも、病院の利用システムを説明するポスターや、院内での注意事項を示す掲示物などが少なからず目に入る。また、初診のときには「問診票」を渡され、記入を求められるし、次回の受診のために「予約票」を発行する病院もある。診察が終われば薬の「処方箋」が渡される。こんな風に、医療機関では「外来受診者」に向けた印刷物が結構ある。

 今回のテンプレートは、こうした中から「告知ポスター」を数種類と、主要な科の「問診票」と「予約票」をご用意してみた。これらの印刷物は、製薬会社や自治体などが配布している出来合いのポスターとは異なり、各病院が独自に作成しているケースが多い。こうした印刷物を見ていると、文字が小さすぎて読みにくかったり、デザイン的にあまり目を引かないと感じることが多い。今回のテンプレートでは、こうした印刷物に共通して見て取れる“気になっていた”点をできるだけ解消したつもりである。是非、ご活用いただきたい。

【今回の応用テク】広報を目的とした印刷物を編集するコツ

 病院内のポスターのように、多くの人に情報を伝える文書を作成する機会は少なくない。こうした文書を作る場合、特に情報量の多い広報誌のようなものを作成するときほど、「編集」が大切になり、それなりのノウハウが必要になる。

 今回は、これまでさまざまな文書を作るテクニックをご紹介してきたまとめとして、広報誌のような情報量の多い文書を作る場合のテクニック、特に作業の進め方を中心に解説していこう。こうした編集のあり方には「これが正解」という明確な答えがあるわけではないが、ここではこのような編集作業をあまり経験していない人向けに全体を8段階に分け、編集作業の全体像を理解することを目標にしたい。これにより、「どこから始めればいいのか分からない」「次に何をすればいいのか分からない」といった悩みや迷いのために、作業の進行がストップするということもなくなるはずだ。

(1)文書全体のコンセプトを決める
 まず、作成する文書全体の編集方針を「コンセプト」として決めることから始めよう。できあがった文書の成否は、この「コンセプト」で決まると言っても過言ではない。何を伝えたいのか、どういう人に読んでもらいたいのか。というコンセプトが決まると、自ずと取り上げるべき情報が浮かび上がってくるし、どのように見せたらいいのかも見えてくるからだ。

 それを決めてから、どういう記事を並べていくのか、具体的な企画を考えよう。コンセプトを作っておくと訴えるべきポイントが明確になり、各記事に統一感が出る。

(2)具体的な記事イメージを作る
 コンセプトが決まったら、今度は、収録する具体的な記事に着手する。その際も事前にそれぞれの記事のイメージを作っておくことが大切だ。例えば、どの程度のスペースを使った記事にするのかを決める。そうすると、どの程度の文章量が必要なのかがおのずと決まってくる。記事中に写真やイラストを載せたいのなら、この段階でどの程度の大きさにするのか、決めておく。取材して記事を書く場合には、取材してみないと写真や図の点数が分からないことも多いが、事前におおよその目安を作っておくと、取材を通じて集めなければならない素材(談話や写真、イラストなど)を見積もることができ、取材の段取りが格段によくなる。

 こうして各記事を積み上げていけば、全体で何ページの印刷物にするかを決められる。全体のページ数が決まっているのなら、どの記事にどの程度のページ数を割り当てられるかも決まる。このように、この段階で作成する印刷物の全体像を作り上げておこう。