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 これまで訪ねてきた美術館は、すべて公立だった。そこで今回は特徴ある私立美術館を取り上げてみたい。2009年10月7日に“新創”開館した根津美術館。表参道交差点(東京都港区)からしばらくの場所に、あたりを威圧することのない竹をあしらったエントランスを抜けると、広く見事な庭園と調和した美術館が現れる。隈研吾の設計である。

 新創なって3カ月あまり、観覧客が絶えない。この充実したコレクションを持つ私立美術館の活動、特にそのデジタルアーカイブは、というのがこの取材の目的である。白原由起子学芸課長、野口剛学芸主任のお2人にお話を伺った。

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 根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家の根津嘉一郎(1860-1940)が蒐集した東洋の古美術品コレクションを保存・展示するために1941年に開館した。以来、何度かの再建、改装を経て、今回は3年を置いての展示再開である。

 約7000件の所蔵品には国宝7件、重要文化財87件、重要美術品96件が含まれており、中でも国宝の「那智瀧図」、「燕子花図」(かきつばたず)(尾形光琳筆)は有名で、後者は五千円札の絵柄にもなっている。

 
 
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