普段使っているカメラでは思い通りの写真が撮れない──。そう感じる機会が増えたのなら、別のジャンルのカメラを検討する時期が近づいている証拠だ。
現在のカメラ市場は、主に4つのジャンルに分かれている(図1)。最も普及しているのが価格の安い「コンパクトカメラ(以下、コンパクト)」。小型・軽量で普段使うには便利だが、背景をぼかして被写体を際立たせたり、高速に動く被写体や暗い部屋の被写体を撮影したりといった、ここぞという場面ではどうしても力不足。そういうときはもう一段上のジャンルのカメラの出番だ。
多様化進むミラーレス
コンパクトのステップアップ先としては、小型で高性能な「高級コンパクト」や、レンズが交換できる「ミラーレス一眼」(以下、ミラーレス)、大きくて重いが機能・性能が高い「一眼レフ」(以下、一眼レフ)がある。中でも、有力な選択肢として急浮上しているのがミラーレスだ。
ミラーレスは、一眼レフのように撮影目的に合わせてレンズを交換でき、ボディー内部の鏡などの部品を省いて小型化を図ったカメラ。小型化できた要因は、通常の一眼レフが搭載しているミラーとプリズム、光学ファインダーを排除したことが大きい(図2)。
ミラーレスは光学ファインダーで被写体を確認できないため、液晶モニターに被写体を表示する。電子式のファインダーを備える製品やオプションでファインダーを後付けできる製品もある。
ミラーレスは2011年後半から2012年春にかけて新型機が相次ぎ登場し、多様化した。まず、サイズ。それまで似たようなサイズの製品ばかりだったが、薄型コンパクト並みの「PENTAX Q」(ペンタックスリコーイメージング)や、一眼レフに近いサイズの「OLYMPUS OM-D EM5」(オリンパスイメージング)など、個性的な製品が増えている(図3)。