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「僕が死んだら... 」(シーリス)

もしものことがあったとき、パソコンに残されたデータは…

 最近「終活」というコトバをよく聞く。就職活動の略である「就活」ではなく、自分が人生をどう終えるか、いろいろ今から整えとく活動、みたいな意味らしい。

 先日、このような記事を書いた。自分にもしものことがあったとき、パソコンのデータや、オンラインストレージやブログ、SNSなどのWeb上のデータはどうなるだろうか、みたいな話である。

 いわゆる「終活」の、ITがらみの部分、何かユニークなソフトで解決できないかと思い、探しに探してたどり着いたのが、今回紹介する「僕が死んだら... 」というソフト。説明には、「利用者が不測の事態に陥った際に、コンピュータの中にある家族には見せたくないファイルを完全に消去するソフトウェアです」とある。

 ちょっと試しに使ってみたら、消したいファイルを設定するほかに、最後のメッセージを伝える機能もある。そうそう、このソフト、自分に何かあった際に、家族もしくは親しい友人などに、自分のパソコンのデスクトップなどにある、「僕が死んだら... 」ショートカットをダブルクリックしてもらう、という前提。そのあたりは、ソフト添付のドキュメントに「開発の背景」として、次のように書かれている。

 ユーザーの、ウイルスや悪意のあるソフトウェアへの防衛意識は高まる傾向にありますが、一方で、利用者自身に不測の事態が起こった際に、自身のPCに保存されているプライベート情報をどうするのかという問題には手つかずであり、私たちは、相当数のユーザーが、何らかの解決策を求めていると考えました。
 本ソフトウェアにおいては、"家族による実行"という他律的ながら現実的なアプローチで"家族へ遺すデータを選択するツール"を実現しています。

 まあ、そのあたり、「終活」的に考えれば、伝え方はいろいろあるだろう。普段から家族や身近な人たちに「ボクが死んだら、パソコン開いて“僕が死んだら”をダブルクリックしてね」と伝えておくとか、そうしたメモを残しておくとか、デスクトップをキレイにして、くだんのショートカットのみ置いて、自分に何かあって、誰かがパソコンを起動したときに、これをダブルクリックするようなシカケにしておくとか……。

 実際の設定方法は、割と簡単。消したいファイルを入れたフォルダーをドラッグして設定、あとはショートカットをダブルクリックして実行してくれた人が見るだろうメッセージを書いておく。メッセージは暗号化されていて、ショートカットのダブルクリックで復号・表示される。重要なところは、消去作業そのもの、および何を消そうとしたかはバレないしくみになっている。そのあたりは添付のドキュメントに下記のようにある。

 利用者に不測の事態が起こった後、家族の誰かがデスクトップ上の偽装された"削除ショートカット"を実行する事で、予め暗号化してあった"メッセージファイル"を復号化して表示すると共に、バックグラウンドで"削除対象ファイル・フォルダ"の削除処理を開始します。
 削除処理が行われている事実は画面に表示されないので、ご家族の方がファイルの削除処理が行われている事を認知する事はありません。
 また、(中略)通常のファイル復旧ソフトでもデータの復元は困難になります。

 そんな感じでシンプルだが、なかなか考えられているスグレモノなソフト。すぐは利用しなくとも、その存在を頭にとどめておくといいかもしれない。

 というわけで、なかなかユニークな「終活」ソフト、「僕が死んだら... 」を、ダウンロード/インストールして、使ってみよう。