凹凸の少ない薄型ボディーに高倍率のズームレンズを搭載するスタイルは、先に取り上げたスリム10倍ズーム機と変わらない。しかし、本体の大きさや重さのアップを最小限に抑えつつ、ズーム倍率を20倍前後に向上させた。可搬性の高さを保ちながら撮影の幅を広げたのがスリム20倍ズーム機の魅力だ。本体の大きさを生かして大容量のバッテリーを搭載し、撮影可能枚数も多い。
シャッター速度優先や絞り優先などのマニュアル露出モードを備えたのもポイントだ。スリム10倍ズーム機は、これまでのスリムコンパクト機の延長で「フルオートで奇麗に撮る」スタイルだったが、スリム20倍ズーム機はミラーレス一眼並みの凝った撮影も楽しめる。GPSやWi-Fiなど、活用の幅を広げる便利な装備を充実させた機種も多い。
超解像ズームの併用で40倍、1000mm近い超望遠撮影が可能
遠くの被写体を大きく写せた10倍ズーム機と比べても、20倍ズームの変化は圧倒的で、さらに大写しできる(図1、図2)。多くの機種が、超解像技術を利用して精細感を高めたデジタルズームを搭載しており、約40倍、1000mm相当に迫る超望遠撮影も可能だ(図3)。


