au(KDDI)が夏モデルの発表会を2013年5月20日に開催した。2013年の夏商戦に向けて投入するのはスマホ4機種のみ。2011年夏にはスマホ6機種を含む全15機種、2012年夏にはスマホ5機種を含む全9機種をリリースしていたので、いっそう機種の絞り込みが進んだという印象だ。
ただし、機種数こそ少ないものの、今年の夏モデルは、いずれも強いセールスポイントを備えている。台湾HTC製の「HTC J One HTL22」は、海外で評価の高いHTC Oneの日本向けモデル。ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia UL SOL22」は、NTTドコモから発売されている同社の最新フラッグシップ「Xperia Z」をau向けにカスタマイズしたモデルだ。シャープ製の「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、IGZOディスプレイと3080mAhの大容量バッテリーを搭載し、3日間の連続使用を可能としている。そして、中高年層をターゲットとする京セラ製の「URBANO L01」は、使いやすさを重視しつつ、デザイン性も高く、人気を集めそうだ。
先進的なデザインが目を引くHTC J One
少数精鋭の4モデルの中で、筆者が最も引かれたのはHTC J One HTL22だ。恐らく年齢を問わず、新しいモノが好きなユーザーの心に最も響く端末だと思う。
HTC J Oneは、すでに海外で発売されているHTC製の最新フラッグシップ「HTC One」をベースにしている。これまでのHTC Jシリーズは、HTCとKDDIのコラボレーションモデルという色が濃かった。ところが今回のHTC J Oneは、機能もデザインもグローバルモデルのコンセプトをそのまま受け継ぎ、そこにワンセグ、おサイフケータイ、microSD対応などの日本のユーザーが求める機能を足したという印象。従来のHTC Jシリーズに「HTCならではの特徴が見えにくい」と感じていた人には、待望のモデルではないかと思う。ただし、グローバルモデルと同様に、防水には対応していない。
HTC J Oneの最大の魅力は「先進性」を実感できることだ。アルミ素材を用いたフルメタルボディーになっており、手にすると、ひんやり&ざらりとした、従来のスマホにはない触感。背面がラウンドフォルムになっているため、手にもしっくりとなじむ。
画面サイズは4.7型で、フルHDディスプレイを搭載。昨年来、Androidスマホは大画面化が進み、ハイエンドモデルでは5型ディスプレイの採用が増えているが、持ちやすさを優先して4.7型にしたとのこと。前モデル「HTC J butterfly HTL22」と同じ「Super LCD3」という液晶パネルを搭載しており、発色が良く、コントラストも高いと感じた。まだ開発途中ではあるが、タッチ操作のレスポンスも良かった。例えば、Webブラウザーの画面をスクロールする場合には、指を動かす速度に、画面がしっかりついて来てくれるといった感じだ。
ホーム画面に表示される「HTC BlinkFeed」は、「Flipboard」のようにSNSやニュースを素早くチェックできる新機能。トップ画面に表示されるのではなく、右方向にフリックして表示する仕組みなので、活用したい人には便利、さほど必要としない人にも邪魔にならない機能だと思う。