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 Intelの次の新マイクロアーキテクチャーCPU「Nehalem(ネヘイレム)」は、Intelにとって大きな転機となる。Intelプラットフォームのシステム構成をガラリと変えるCPUだからだ。Nehalemでは、CPUにノースブリッジの機能が取り込まれ、さらに2009年にはグラフィックスチップもCPUに内蔵されるようになる。

 NehalemというCPUを、外側から見た場合、これまでのIntel CPUとは決定的に異なる点がある。CPU側にメインメモリーのコントローラーを内蔵し、FSBに代わってポイントツーポイント接続の「QuickPath Interconnect(QPI)」を実装することだ。メモリーコントローラーを内蔵したことで、NehalemではCPUコアからメモリーへのアクセスの遅延が短くなり、CPUの性能が上がる。また、Nehalemでは、QPIによってCPUとチップセット間だけでなく、CPU同士を相互に接続することで、効率的なマルチプロセッサー構成を実現できる。

急進的で保守的なIntelの産んだNehalem

 Nehalemのこうした構成は、Athlon 64以降のAMDアーキテクチャーによく似ている。一見するとIntelがAMDを追いかけているように見えるが、そうではない。AMD CPUとNehalemの取ったアプローチは、CPUの性能を引き上げ、マルチプロセッサー(MP)構成の自由度を上げようとするなら必然的な方法だ。10年も前からアイデアは発表されており、IntelとAMD以外のメーカーも採用している。楽屋裏でそれぞれCPUを進化させようとしたら、同じ手法に収束したと考えた方がよさそうだ。

 CPUの技術トレンドの中で、Nehalemのポイントは2つある。ひとつは、Intelがメモリーコントローラーと高速インターコネクトの内蔵で、後発であること。もうひとつは、それなのにラディカルな技術を採用したことだ。

 Nehalemのメモリーインターフェースは、3チャンネルDDR3(MP版は4チャンネルFB-DIMM)で、メモリー帯域は同世代のAMD CPUを上回る。また、QPIはシリアル技術を使うことで転送レートは6.4Gbpsと、こちらもAMDのHyperTransport 3.0を超える。Intelは後発なのに、先を行こうとしている。

 その理由は、「急進的」かつ「保守的」というIntelの「性格」にある。なんだか矛盾しているようだが、Intelはこの2つの面を併せ持っている。

 まず、Intelは、技術的に飛躍を追い求める急進的な面がある。今回、IntelはCPU間接続をシリアル技術にすることにこだわった。シリアル技術の方が、将来の高速化の余地がより大きいからだ。しかし、シリアル技術のQPIは、高速パラレル技術のHyperTransportと比べると実装が難しく、Nehalem世代まで待たなければならなかった。